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1 アメリカの使命
アメリカの象徴は鷲です。この鷲というのは人が餌を持っていると飛びかかって、それを地面に落としておいてから奪っていくのです。鷲はそのような性格をもっているのです。このようなことが理解できますか。(はい)。これは、インディアンの土地を略奪したことと同じなのです。ですからアメリカは鷲によく似ているのです。
見なさい。片方には棕櫚の木があって、もう片方には矢です。このようにアメリカを象徴しているのです。これがアメリカの重要なシンボル・マークなのです。これは何を象徴していますか。正義を象徴しているのです。まず耐えて神様の名において働きなさいということなのです。アメリカ人であるといって全部善いことばかり行うと思いますか。(いいえ)。それなのになぜアメリカが祝福を受けたのでしょうか。神の人が被害を受け、神の家、神の土地に被害を受けるような時には、神の名においてこれと戦い抜くのが神の人の義務です。アメリカが今までこれを標準として建国を行ってきたために、このような意味において神がアメリカを祝福したと考えるのです。
義に満ちた人は耐えに耐えた後で「わっ!」と言うのです。アメリカが耐えて忍んで共産党に殴られ、追い回され、ベトナム戦でも追われて、このようなありさまですが、将来一度「わっ!」と言わなければなりません。この先「わっ!」と言えるだけの気力がアメリカにありますか。(はい)。そのようにできますか。(はい)。ベトナムで、クメールにあんなにも打ち負かされて、共産党が国連の舞台を席巻し、アメリカの顔に泥を塗りつけても、アメリカは顔を挙げることもできずに隅に追いつめられ、行くべき道を見つけることもできずにいるというのにですか。私には、アメリカがそうする気迫をもっているようには思えないのです。このような人は正義の人ではありません。正義の人はそうではないのです。(七九―三〇六)
アメリカが考えなければならないことは、アジアから後退することと、ヨーロッパから手を引くことと、どちらがより危険であるかということです。ヨーロッパはより遠いのです。そこにはアメリカと関係のある、いかなる根拠地もありません。しかしアジアはアラスカやソ連に通じ、日本とも通じるのです。ですから韓国を再び接触させて、日帝の迫害三十六年間の恨みを晴らせるように刺激することのできる良い足場になっているのです。このような立場にあるのに、もし韓国から軍隊を撤収して韓国が赤化されることになれば日本が赤化されるでしょうし、日本が赤化されれば五年以内に太平洋圏は赤化されるのです。アラスカが国境なのではありません。それ以上のことが起こるということを知らなければなりません。
このような立場から見れば、現在アメリカが歩まなければならない道は神様のみ旨を中心として、神様がアジアをどのようにし、また世界をどのようにしようとしているのかを知って、アメリカ国民を教育して団結させなければならないということです。これが文牧師の主張です。(九一―七〇)
今アメリカは名実共に民主主義世界を指導する国家です。このような国が滅亡するとなれば、これは世界的な問題になるのです。共産主義から防衛できる国はアメリカしかありません。(七二―二五)
アジアでアメリカが共産党に圧迫されれば、天地も圧迫されるのです。(三三―一二)
アメリカは天使長国家です。それゆえ韓国が独立を果たすためには、アメリカがこれを協助しなければなりません。たとえ共産世界が反対しても、アメリカは韓国に協助して一つになることのできる道を模索しなければなりません。そうでなければ統一を望むことはできません。一人で独立するようにはなっていないのです。そうだとすれば誰がこれを行わなければなりませんか。これらの国は今、全部バラバラになりつつあります。仲が悪くなりつつあるのです。共産圏に吸収されつつあるのです。だから今が危機だというのです。(五四―二〇一)
民主世界の主導的な国家であるアメリカ自体がこれから滅びるのでしょうか、それとも栄えるのでしょうか。あらゆる面を見るときアメリカ自体は滅びるであろうというのです。共産党に、サタンにやられるというのです。そうですが、困難になれば困難になるほど神様と対話し、神様を中心に団結するようになるなら堕落することはありません。復帰されるのです。(七一―二四四)
アメリカにおいて行うことは何ですか。今やアメリカという国を捨て、アメリカの教会を捨ててでも神様のみ旨を中心とした新たな国をつくるために、もう一度戦わなければなりません。このような運動が起これば、このアメリカは世界を支配することのできる国になるだろうというのが文牧師の見方です。
神様がアメリカを選んで立てたのなら、アメリカがこの大陸を中心とした大国になることを願うでしょうか。この大陸に生きるアメリカ国民をはぐくんで、世界をすべてひっくり返して救う国となることを願うでしょうか。(世界を救う国になることです)。それなら、アメリカ国民が今そのような思想をもっているでしょうか。(もっていません)。今アメリカ政府、国務省がそのような政策を遂行していますか。(いいえ)。「他の国がみな滅んだとしても我々は汎米主義である。アメリカさえ残れればいい。アジアも関係なく、中東もヨーロッパも関係ない」。今こうやっているのです。このような立場で、アメリカ自体に宗教が残っているといっても、アメリカ国民が神様のためにもっと尽くすならば別ですが、そこからだんだん遠ざかりつつあるというのです。(八一―五一)
2 アメリカを救い続けてきた統一教会
私がアメリカに行ったのは、結局何のためかと言えば、我々統一教会の発展のために行ったのではありません。統一教会の責任者として統一教会を発展させ、統一教会を誇る、そのような目的のために行ったのではなく、ただこの世界が今後進まなければならない歴史的な方向を、どのようにするのかという非常に大きな使命を背負って行ったのです。
それゆえこのような内容を誰にも話すことができませんでした。誰にも語ることなく、今まで私だけがそれを抱え込んで黙々と歩んできたのです。ところが神様は人間たちが想像することのできないように環境を動かし、今日では世界的な問題として目の前に迫り来るようになったことを思えば、やはり神様は人間には理解できない方法で歴史を起こすのだということを、今更ながら感じるのです。
ヤンキー・スタジアム大会の時、私が語ったことは何かと言えば、「私はアメリカが病に冒されたために医者として来た、また火事が起きたので消防士としてやって来たのだ」ということです。このような話をいったい誰がすることができるでしょうか。アメリカの大統領がこのようなことを言うことができますか。アメリカの何とかいう青年がこのように話すことができますか。ビリー・グラハム牧師が話せますか。ノーマン・ヴィンセント・ピールが話せるかというのです。これは歴史的な事件なのです。
ワシントン大会では「退廃的なアメリカの青年たちを救うために、明日の希望である若者として彼らを導くために来た」と堂々と宣布したのです。アメリカの有名な教授たちがこのようなことを言いますか。(九一―六四)
私がアメリカに対して、いつ滅びるか分からないと警告をしたのです。世界中で先進国と自負するアメリカ人たちの前に白昼に現れて、正当に壇上から攻撃したのです。「アメリカは滅びる。滅びないように私が声をからしているのだ。共産党に近い制度は全部根こそぎ引き抜いてしまう!」と言ったのです。(六二―一二九)
アメリカをみな民主主義の原型だと見ているのですが、共産党はここから宗教さえ解体してしまえば、全体が完全に自分の手中に入ってくるだろうと考え、既にそれを着実に進行させているのです。このような事実を知っている私は、アメリカを中心としてこの仕事を行わずにはいられないのです。(九二―一三一)
今アメリカ国民に私が教えることとは何かと言えば、「超民族的な思想に立ちなさい。このアメリカが滅亡するかもしれない今この時に、再び祝福を受けることのできる方法は、アメリカのために行動するアメリカになるのではなく、今からでも遅くないから世界のために働くことのできるアメリカとして変わりなさい」と言うことです。今年私が戦いを起こすのも、この交替用のスイッチを押すためなのです。(八五―六二)
皆さんは知らないことですが、私がアメリカの地に来る時、神様と約束したことがあるのです。第三次七年路程(一九七七年)までに、アメリカの生きる道をつくっておかなければならない責任を負って、「私が生きている限りやり抜きます」、このように誓ってきた男なのです。三年という短い期間にアメリカにおいて誰もが成し得ないことを私が成してきたのです。これは私が行ったのではなく、神様が協助したということを皆さんが知らなければなりません。
それゆえ、このような不可能なことが可能になるさまを、我々が目の前で凝視するというこの事実は奇跡です。二十世紀の奇跡なのです。第二次世界大戦における勝利よりも、またどのような戦争における歴史的な勝利よりも、ずっと驚くべき勝利の実績を我々が所有しているという事実を皆さんが知らなければなりません。(八七―九四)
先生がアメリカに行って、死にゆくアメリカを生き返らせるためにショック療法を使いました。「アメリカは今火事になって死にかかっているので、私が消防隊員として火を消すために来た」と言いました。「アメリカは病気にかかって死にかかっているために、医師としてその病気を治しに来た」と言ったのです。この言葉がアメリカ人の自負心を傷つける結果となり、これが原因となって非難を受けて、前もって計画的に仕掛けてあった罠に掛かったのです。
先生はアメリカとアメリカ人たちが先生の言葉を聞いて、どのように対処してくるのか想像はついていましたが、アメリカに対してショック療法を使わずには救い出すことができなかったために、監獄に入ることを覚悟してあえてそのような話をしたのです。正しいことを言ったという咎で結局監獄に入っていったのです。(一九八八・一・一)
先生がアメリカに対してどのように善導したのでしょうか。上は大統領を善導し、下は若い青年たちを善導しました。これが先生の見方なのです。大統領が神様のために働いて、若い青年たちが神様のために働くという考えを共にするようになれば、アメリカを救うことになるのです。(七九―一八六)
アメリカを訪ねてくる政治的顧客たちは全部アメリカの世話になろうとしますが、私は世話をするためにアメリカに来たのです。それなのに冷遇するのです。彼らは私に対して大統領のように待遇したでしょうか、大臣のように待遇したでしょうか、乞食程度の扱いをするのです。アメリカ人の乞食一人程度にも扱わないのです。
ただムーニーと言ってはつばを吐き、あざ笑ったのです。乞食でもこのようには待遇しないのです。
それゆえいったん屈服するようになれば、一〇〇パーセント屈服するようになるのです。そう思いますか。そうですか、そうではありませんか。(そうです)。その日のために我々は歩むのです。(九二―一〇三)
共産世界でも、自由世界でも、今までアメリカのために尽くすのは、たった一人です。文牧師一人がやって来て、「アメリカを生かそう」と言っているのです。アメリカを愛したというのです。これは誰のためですか。アメリカのために、世界のためにそうしているにもかかわらず、白人たちは「おっ、文牧師がアメリカを食いものにしようとしている、のみ込んでしまおうとしている」と大騒ぎをするのです。(一九七九・五・一)
先生は「アメリカよ、滅びず十年だけ耐えなさい。私がアメリカにいればお前は私の手を通して救いを受けるであろう」このように考えているのです。そのような時が来るのです。万一この事実を知っている者がその使命を果たせないような事態が起これば、彼は責任追及を受けるのです。それゆえ神様のみ前で「私、文牧師が責任を担いましたから、神よ、このことを実行しなければなりません。お助けください!」と言うなら、神様が助けざるを得ないのです。ですからこの文牧師がこのような問題を引き起こすことができるのです。(八七―一九五)
民主世界の中心国家であるこのアメリカを救うことによって、民主世界全体を救うことができるために、アメリカをぜひ救わなければなりません。アメリカが文牧師に反対し、アメリカの教会が反対しても、我々はアメリカに救いを与え、アメリカの教会に救いを与え、共産党にまでも救いを与えましょう! 「神よ、彼らをお捨てにならないでください」と言ったイエス様と同じです。我々が十字架を背負ってでも、イエス様と同じ伝統的思想を受け継いだ、そのような仕事をしようとするのが統一教会であるということを知らなければなりません。(八七―一三六)
3 アメリカでの統一基盤確保
アメリカに行った目的は何でしょうか。私は資本主義打倒を叫ぶ共産主義の最終目標を知っているので、今後の大韓民国とアジア、宗教人と自由世界が生き残るためには、共産主義の実体を知らないアメリカを覚醒させなければならない責任があったのです。アメリカに行くや否や、どのようにして一度でアメリカ国民の関心を呼び起こして、その支持を取り付けるのかということが、背後から私を協助していらっしゃる神様が願われたことだったのです。
私は宗教指導者として暴力を行使することはできませんが、歴史上にない善意の問題を引き起こして、アメリカの国民が好もうと好まざるとにかかわらず、その是非をはっきりとさせる仕事を短期間内に成さなければならなかったのです。このために、第二次世界大戦における怨讐であった日本人とドイツ人を前面に押し立ててアメリカを生かすために投入したならば、人類文化史において偉大な教訓となるのだという信念をもって活動をさせたのです。左翼的プラズマティズムの影響のために、自分の生活に得にならないことをしようなどと考えもしないアメリカの青年たちを教育するために、まず日本とドイツの青年を前面に立てて、彼らの犠牲的な実際の活動に感動を覚えさせるようにさせたのです。その次に、アメリカの青年を覚醒させる教育を実施したのです。神のみ旨を知って、統一教会を知った献身的な若者たちをして、アメリカの青年が刺激を受けて結束するようになるのに三年という歳月がかかりました。(一九八〇・一一・一七)
共産主義運動が今アメリカの各大学街に浸透しつつあり、ここに金日成もアメリカでの運動を強化・展開させています。言わば、アメリカを打倒しようというのが金日成の夢なのです。
アメリカ国内における各国の僑胞社会で、韓国民族ほど一生懸命働き、知能の高い民族はいません。そのため彼らは政界、学界などにおいて、多くの影響を与えつつあります。科学の先端を行く宇宙開発の分野でも、十数名の韓国人が参加しているのです。そればかりでなく、多方面にわたって影響力のある政治的、経済的基盤を備えた韓国人が大勢います。アメリカにおいてこのような僑胞社会を完全に糾合することさえできるなら、我々は強大な民族になることができ、これによって我が国は主体的な国家となるのです。アメリカ社会において僑胞社会がこのような底力をもっていることに気づいた金日成は、アメリカ国内でソ連や中共よりも先駆けたいという野望をもって、僑胞社会を糾合するなど、あらゆる工作と宣伝活動を活発に展開し始めたのです。
このような金日成の工作活動をそのまま座視することができず、私はアメリカにおける勝共運動を大々的に展開してきたのです。
それならこのような共産党の工作活動に対抗するためには、どのようにしなければならないのでしょうか。私はFBIやCIAはもちろんのこと、安全保障理事会を動かすことのできる多くの右翼関係の団体からも、協助を得ることのできる基盤を整備しなければならないと考えました。そこでこれらの団体と交流し、協助を受けることのできる土台を構築しながら、僑胞世界にまで至る多くの支持基盤を整えることができたのです。特に僑胞世界における我々の基盤を整備するためには、これまでに僑胞の中の誰かが成し遂げた経済的な基盤や、実績を上回る確実な基盤を我々自身がつくり上げて、僑胞たちが仕方なく信じてついて来ざるを得ないようにしなければならないと考えたのです。そうして経済的、社会的、文化的な面において活動を展開し、今や彼らが何かをしようとするときには、ぜひ文牧師と手を結ばなければならないと考えることができるような状態にまで基盤を整備しておいたのです。(一九八〇・一一・一)
共産党に対処するためのより具体的な方案として、我々は義勇軍を編成しなければなりません。しかし義勇軍の編成は簡単なことではありません。莫大な資金が必要になるのです。それでも私はそのことを推進してきました。アメリカではその基礎作業が既に終わりました。多くの神学者、科学者、教授などがこの仕事に同調し、これに参加しつつあります。既に五十州を中心に活動要員を配置して、去る十月四日、その幹部たちに会って指示したのです。(一九八〇・一一・一)
ソ連は一九一七年に革命を起こし、五年後の一九二二年に中共にスパイを投入して未来のアジア制覇を夢見、アメリカにも間違いなくスパイを投入したと思われるのです。いつから投入したのかと言えば、ソ連革命後十年以内に、アメリカにスパイを派遣したと見なければなりません。今日、アメリカ国務省以下の諸官公庁にも、たとえ彼らの浸透組織が表面化することはなくても、背後から操縦を行いながら世界赤化の野望に燃えているということが推測できるのです。
その背後の組織を探し出すために、マフィア、暴力団、労働組合、警察、CIAなどの関係筋に対して調査をしたところ、間違いなく共産主義の支持勢力が実在することを知りました。私が反共戦線の先頭に立つことによって、世界共産主義の総攻勢の矢面に立つようになるだろうということも知っています。その上、日本から共産主義勢力を粉砕した当の張本人であるために、十年でもそのままにしておくなら日本で被った共産党の運命のごとく、アメリカにおいても文牧師にしてやられると見るのが世界共産主義者たちの評価です。
共産党の最初の攻勢は間違いなく、言論機関を通して仕掛けてくるであろうと見ていたのですが、その予想どおりにニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト紙など、諸言論機関が「統一教会反対父母の会」を前に立てて全面攻勢をかけてきたのです。アメリカには共産主義の背後操縦によって活動する、統一教会の青年を拉致しておいてディプログラミング(信仰を強制的に捨てさせること)を行う「反対父母の会」がある反面、統一教会を支持する「父母の会」があります。
アメリカの言論は「反対父母の会」が三百五十名集まれば、三千五百名と報道し、三十五名集まれば三百五十名と報道しながら、七百名にも達する「支持する父母の会」が集まっても、たった七十名と報道するのです。そのような偏向性から見て、共産党が言論界にも深く浸透してそれを左右しているということを知ることができるのです。すべての言論界が文牧師に対して総反撃を加えてきたのが一九七六年のワシントン大会の時でしたが、ここにカトリック、プロテスタント、ユダヤ教、アメリカ政府、共産主義、このようなあらゆるものが加勢して反対したのです。それに便乗した形でこの総体的な結実として現れたのが、フレーザーによる韓国と統一教会に対する「コリア・ゲート」事件だったのです。
アメリカ国会の委員長であれば、世界の弱小国の首相がぶるぶると震える強大な権力をもつ立場です。誰も手をつけることのできなかったこの強敵に対して、私が朴普アを立てて「もし死ぬことになっても言うべきことは全部言ってから死のう」という覚悟をもって、アメリカ議会史上例のないフレーザーに対する反駁を敢行し、ついに生きていらっしゃる神様の助けによってフレーザーを打ちくじいたのです。
カーターもフレーザーと同じ左翼主義路線に連結されており、カーターの政治顧問であるコーヘン博士は「北韓連絡兵」の代表者として、間違いなく共産主義の旗振り役であると見当をつけることができるのです。カーターが再選される限り、自由世界は時がたてばたつほど没落していくという運命に瀕しているために、反共戦線の最先端に立った私が戦わざるを得ないと考えて、カーターと互いに耳をつかみ合って戦うようなことをしたのです。
現職の大統領が所持している金銭、言論機関、捜査機関など、膨大な組織に対して挑戦するということ自体が愚かであると言えば、愚かだと感じざるを得ません。しかし、間違いなく神様が共にあられることを知っていたので、統一教会全体の運命をかけて冒険を行ったのでした。
今年の正月一日統一教会の世界指導者を集めて、「アメリカ大統領選挙と韓国の危機を主題に百日間祈祷せよ」と命令したのです。カーターは文牧師一人さえ監獄に入れておけば、自分が勝利すると考えて、二年八カ月の間、我々の事務室に四人もの人を派遣して調査を継続し、二十五カ国の統一教会をしらみつぶしに調査して、少しでも落ち度が見つかれば、それをたたきつぶす準備をしていたのでした。したがって今回の選挙でレーガンが敗北していたなら、統一教会が実に悲惨なありさまとなる運命だったのです。
これに備えて朴普アおよび二百八十名の我々の側の弁護師団を動員して、カーター行政府が統一教会にもたらした損害をすべて計算し、カーターが再選されれば即時に彼らを告訴するように、法廷闘争までも準備しておいたのです。しかし天が助けてくださったおかげで、我々が支持したレーガンが予想以上の勝利を収めることとなったのです。
その一方で、神様がどれほど世界情勢に関して緊迫感を覚えられて、このような奇跡的な勝利をもたらすようにされたのか考えてみました。またこのたびの選挙において、我々のPRチームを動員して、勝共理念を支持する上院議員を当選させるための活動も行い、一〇〇パーセント当選させたのです。それでアメリカ議会内における自由主義派が封じ込められ、新保守主義にのっとって国会が運営されることとなり、このことによって今後の韓国と、アジアと、世界の行方に実に重要な契機が造成されたのです。(一九八〇・一一・一七)
アメリカで最初に行ったことは、学界を連結させるための求心点として神学大学院を建てることです。
思想界を指導するに当たっては、神学と哲学がまず一次的に問題になるので、一九七五年以来五年の間にヨーロッパの神学者まで含めて三百八十名の神学者を連結し、その中から毎週十名ないし二十名ずつ招請して、我々の神学大学院とセミナーを継続的に開催してきました。最初は統一教会を打診してみるつもりでやって来た有名な学者たちが、あらゆる実力を動員して我々の神学生たちと熱を帯びた討論を交わしたのですが、ついに我々の神学生の理論について行くことができずに終わりました。
我々の神学生たちは、あらかじめ討論相手となる教授のあらゆる著書を読んでおいて、分科会に分かれたのちに三回だけ会議にもち込めば、討論を通してその教授に対し完全に勝利を収めるようになります。
現在、神学者たちは非合理的なキリスト教の理論のせいで、悲惨な状態に陥っています。これからは有名大学の学者を動かすことができるので、神学大学長に対していくらでも影響力を及ぼすことができる段階に来ました。今年はハワイ、メキシコ、アフリカ大会を通じて有名な神学者を糾合し、十月四日にはアメリカにおいて百八十名の学者と三十五の大学を網羅し、理事陣十八名で組織体を構成して、今やアメリカの思想界を動かすことのできる整地作業が完了しました。
アメリカで二番目に行ったことは法曹界の糾合運動でした。アメリカにおいて文牧師の名が最も高まっていく時に、あらゆる有名な弁護士を我々の側にしておきました。弁護士は国家観や、信条といったものよりも自分の収入によって左右されるので、相当な報酬を与えつつ仕事を行いました。このような活動をしている中に、彼らも統一教会でなければならないと感じる段階に入ってきたのです。そこで「国際法曹人協会」をつくって、いつの日か裁判問題が起これば、ソ連までこの協会を動員して情け容赦なく事の是非を白日のもとに晒すのです。アメリカにおいても、権力層の核心メンバーを動かすためにはこのような組織を必要とするために、来年から組織編成を行うのです。
三番目は言論界の組織ですが、既に三次にわたる原理修練を終えて、現在F・P・I(Free Press International)という通信社をつくって言論組織の整地作業を進行中です。
四番目は世界の多くの国家の前職首相たちを糾合して、国際協会の組織を構想し、朴普アを送って南米のペルー、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、ブラジルなど七カ国の大統領に会いました。ニューズ・ワールドとスペイン系の新聞ノティシアス・デル・ムンドの社長に彼らと接見するようにさせて特集を出し、おいおいアフリカとアジアの前首相を糾合するように計画しています。
このために全世界の有名な別荘二十五カ所を購入する計画で、その別荘を我々の側の若者が管理して、前首相と閣僚たちが思う存分これを使用することができるようにする計画です。
大韓民国の人々には夢にも見ることのできないこのようなことを、整理された基盤もなしに行うと言えば、気違いの中でも最もひどい気違いであると言うことでしょう。
このようなことを行うためには、カーター大統領と戦って彼を打ち負かしたという経歴も必要なのです。(一九八〇・一一・一七)
私が誰のために、何のために、首相経験者たちを集めようとしているのか分かりますか。統一教会のためではありません。まさしく世界の平和と人類の救いのためです。究極的にはこの首相協会を通してソ連を制覇するための礎をつくるためなのです。世界共産党をすべて根絶やしにしなければ、人類の平和はほんの少しも保障されないのです。それで共産主義の最高峰であるソ連を消化し、世界共産党を消化することが、私の生涯の最終目的なのです。そのために世界の前職首相たちの集まりをつくっているところです。夢のような話だと考えても結構ですし、私を妄想家と考えてもかまいません。しかしながら、これは明らかに間違いのない現実なのです。(一九八〇・一一・一)