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1 エバ国日本の立場
北韓の金日成が問題ではなく、中共と日本が問題です。日本はエバが堕落した時の立場と同じような危険な境地に立たされています。中国は天使長のような立場の国家です。アジアの古代文化国である中国は天使長の文化をもった国家です。日本は戦後、怨讐国家から同情を受け、急進的に発展して今では世界第二位の富を誇る水準にまできました。内的に見れば、日本はこのような水準で化粧をし準備している新婦の立場にいるのです。(三〇―二四三)
日本をエバ国家というならば、エバはアダムに属しているのです。嫁に行く場合にはその家門のあらゆる規則、習慣をそのままもって行くことはできません。嫁に行ったなら、その日から夫の家風を自分の家風として受け継がなければなりません。日本の国民性がそうなっているのです。それゆえ、模倣することにおいては日本が世界的なのです。(笑い)このようなことを考える時、あなた方はたとえ日本にいても日本にいると考えてはいけません。
あれこれと心を砕くのは韓国のためにしなければなりません。エバが実家に来ても思いはいつも自分の夫になければ、その夫に追い出されるのです。追い出された妻になるというのです。このような考えをもって一体となり、目的完成のためにあなた方は貢献しなければなりません。(四〇―一三四)
アジアにおいて日本が将来、どうしても主体的な立場に立たざるを得ない時が来ます。なぜならば、エバが堕落したために、女性国家である日本は真っ裸になった立場で、この責任を負わずにはいられないのです。終わりの日には我々統一戦線において責任を負わなければなりません。厳しい波風を経験しなければなりません。真っ裸になった立場でやらなければならないほど、事は急だというのです。急いで追いかけていかなければなりません。(二八―二四二)
アダム、エバ、天使長国家の三国家を中心として世界がぶつかり合う時が来ました。
それではこれがどこを中心にぶつかるのですか。サタン側の三人はイエス様を中心に衝突したのですが、イエス様は何を中心に来ましたか。サタン側の三人の人たちと戦うために来たのではなく、エバを探し出すために来たのです。このようになったのです。分かりますか。それでエバを中心として三人、サタン側の三人の兄が衝突し、また天の側の三人の兄が一つの女性国家を中心としてぶつかり合うのです。この女性国家が現在の世界情勢において日本に当たるのです。分かりますか。日本です。
日本に対して北韓も自分の手中に収めようとして、今日本の舞台をねらっているのです。中共も日本の舞台をねらっています。そうでしょう? ソ連も日本の舞台をねらうのです。世界情勢がなぜこのようにならなければならないのですか。我々統一教会の原理から見れば、神様のみ旨を世界と一致させる、世界的な最後の教団が現れる歴史的な終末時代が来なければならないためなのです。エバ国家、日本がエバ国家なのです。しかしエバ国家はどうなるのでしょうか。サタン側の三人が襲いかかるというのです。なぜですか。これがイエス様の相対であるからです。それゆえエバはイエス様とサタン側の三人の前において、今まさに死ぬか生きるかという立場、すなわちどこに嫁入りするかという立場にいるのです。
そこでイエス様も、南韓のこの統一教会も今現在、婿に入ろうとするのです。そうではないですか。その次にアメリカもこれを後援しようとするのです。アメリカが今まで日本を治めてきた末に、日本を手放すのはなぜかと言えば、もともとの夫の元に行けということなのです。分かりますか。今韓国はどうなるでしょうか。韓国が今までアメリカの管理圏内に、つまりアメリカの保護圏内にいたのですが、これからはアメリカを信じることができず、日本を信じなければならない時が来たというのです。これは「夫と妻が会うことのできる立場に立て」ということなのです。天使長の管理から抜け出して、本然の権威を探し立てる夫の務めを成すことのできる時になったということなのです。(六〇―一八〇)
日本が戦後、敗戦国家として再起するのが困難であったにもかかわらず、どのようにして二十年の間にこのような発展をしてきたのか考えてみれば、それは韓国動乱のおかげなのです。韓国に連結された結果です。このようにして今世界的な国家になっているのです。もし日本がエバ国家の立場から、韓国の今後の行くべき道に歩調を合わせて援助をしてくれるというなら、南北復帰は自然に成し遂げることができると見るのです。(四〇―一二〇)
日本が今まで発展したのは、韓国が発展したことを受け継いで祝福を受けたからなのです。いったいどのような祝福を受けたのですか。内的な祝福ではなく、外的な祝福を受けたのです。外的な祝福とは何かといえば、物質的な祝福です。そのために日本が歴史上に例のない経済的発展を二十年の間に成し遂げたのです。おいでになられる第三アダムの新婦国家として、身を調えるためには早く育てなければならないのです。それで日本が富強な国家になったのです。
統一教会は日本を何とかしなければなりません。このような言葉を韓国人が聞けば、気分は悪くはないでしょうが、日本人が聞けば気分が悪いことでしょう。しかし、仕方がないのです。日本人が何と言ってもどうしようもないのです。皆さん、日本人が履いて歩く下駄があるでしょう? 下駄を履くとき、足の親指と二番目の指の間に緒を挟んで歩くでしょう? これは父親と母親が分かれることを意味するのです。(笑い)そして下駄を脱げば一つになるのです。これを誰が脱がせますか。そのような人は先生しかいないのです。
日本がなぜエバ国家なのかと言えば、日本人の名前は大体四文字なのですが、女性を呼ぶ時には「〇〇子」と言います。「〇〇女」と言う名前はないのです。なぜ女性の名前に「千字文」で言う「むすこ・子」の字を付けるのですか。女性の望むものは男性ですからね。(笑い)これは笑いごとではありません。それで女性の名前には「〇〇子」、「××子」と言って「むすこ・子」の字をくっつけるのです。おそらく日本の女性の名前には女性全体の三分の二に「子」の字が入っているでしょう。全部それが念願だというのです。また男性たちの名前には「おとこ・郎」の字が入っています。「〇〇郎」、「××郎」、本当に多いのです。これは男性が天使長であるために「新郎よ、早くお越しください」と新郎を待つ心の現れなのです。男性は天使長型ではないですか。事実がそうなっているのです。日本人たちは名前がすべて四文字になっているので、女性であるエバ国家であるというのです。しかしその一方で韓国人たちの名前はほとんど三文字になっています。これは蘇生・長成・完成の三数を意味しているのです。そのため韓国が、どうしても男性国家にならざるを得ないというのです。
新郎として来られる主は、天から福を携えて来られます。福を携えて来られるのですが、どのような福を携えて来られますか。天運を携えて来られるのです。お金をもって来られるのではありません。お金をもって来てくれるような男性を願う人は滅びます。天運を携えて来る方を願わなければならないのです。お金はもう既に地の上にあるのです。そうでしょう? お金はあるので必要ないのです。食べて生活するためのお金はあるので、優れた男性を望むのです。そうでしょう? 日本はそのような立場なのです。
それゆえに日本は統一教会を受け入れなければなりません。統一教会は神聖な新郎だというのです。ですから統一教会の独身男性たちには、日本の娘たちがぞっこん惚れ込んでしまうようになっているのです。それで今回先生が三双を祝福してあげたのですが、これは韓国と日本を全部連結しなければならないためにそうしたのです。先生の家庭を中心として四位基台を成さなければならないので、取り替える立場から三双を祝福してあげたのです。
このようにして日本が韓国を助けなければ滅びるというのです。まあ見ていなさい。日本が韓国をつかんで助けるならば、アメリカがいくら日本を助けてくれなくても大丈夫なのです。そうなればそこからは新たな次元の経済的基盤が、違った角度から展開されていくのです。それでも韓国を助けないと言って足を踏みならすなら、自分自身の足を次第にがちがちに縛りつけることになるのです。(三八―一二〇)
2 韓国に絶対必要な日本
日本がもし共産主義国家になれば、韓国は瓶の中に入ったねずみのようなものです。それで先生はこのような国家的な危機を克服するために、十年の間人知れず働いてきたのです。これからは韓国が反共運動をするのと同じように、日本も政界全体が反共運動の路線に入ってくることができるように、その責任を遂行する立場にいます。それゆえこれまでは韓国が歩む路線を日本政府が反対しましたが、これからは逆について来る立場に立つことになります。こうしてアダム国家である韓国を中心に、新しい思想的な分野において日本を完全に天の側に復帰させることのできる基盤がつくられるならば、世界は回るのです。(二三―二九二)
中共とソ連がねらいをつけている日本が左傾化されれば、韓国はどうすることもできないでしょう? 瓶の中に入ったねずみがどこに行きますか。左傾化されるしかないのです。それゆえこれを右傾化させるために先生が日本を助けているのです。日本では政治家たちも共産党のせいで反共色を鮮明に出すことができずにいます。(二三―一三八)
韓国は金日成の他にもソ連と中共に包囲されています。そこで日本が必要なのです。先生は十年前に宣教師を密航船に乗せて日本に送って基盤づくりをしました。一年七カ月の間にこのような基盤を日本でつくったということは奇跡なのです。(二七―二六六)
日本は怨讐の国ですが、これからの日本と韓国のために、借金をしてまで日本に宣教師を送りました。しかし国にはそのことを知っている人はいません。それで先生は「十年さえ過ぎて見よ。法治国家の国民として、このことが違法行為であることは知っているが、間違いなくアジアには自由にこのような行為を行うことのできる時がやってくるだろう。その時のために、私が今民族の反逆者扱いを受けようとこの仕事をするのだ。正義に基づいたこのような私の信念と行動を、歴史が保証する日が来るだろう」。このように考えて断然として行いました。その時統一教会の食口たちは飢えたも同然の状態でした。写真を売って何とかその日その日を暮らすありさまでした。それでも今のお金で百五十万ウォン程度の借金をして、密航船に乗せて送ったのです。(二三―一三七)
韓国は日本をほっておいたら滅びます。韓国は日本をつかんで、生きようが死のうが共同運命圏の中で行動していけるように、政策的に解決していかなければならないのです。(六八―一六一)
この先韓国が生き残るためには、日本を背負わなければなりません。どの国が日本と手を結ぶかによってアジアの覇権が決定されるのです。それで中共とソ連が日本を前に置いて激突しているのです。彼らは今韓国に対しては何も考えていません。韓国は自分たちが手を出しさえすれば、いつでも処理できると見ているのです。金日成はその中間で行ったり来たりしながら、得をしているのです。(一九八一・四・二六)
大韓民国はこれから日本を手放してはなりません。そうしなければ生きる道がなくなるというのです。中共にしがみついてはいけません。ソ連にしがみついてもだめです。日本にしがみつかなければならないのです。日本を拠点としてアメリカにしがみつかなければならないのです。この二つにしがみつくことができないとしたら、大韓民国は今後行く道がなくなるのです。私はこのようなことをもう十五年前から計画していました。
文なにがしが悪口を言われながらこのようなことをしました。悪口を言われながらもアジアを生かし、大韓民国を生かす仕事をしたのです。それなのに国に対する逆賊、教会に対する逆賊なのですか。この日本がもし動かなければ、アメリカ大陸を中心として、アメリカの朝野の上院議員を中心として、アメリカ全域にあるすべての勢力基盤を団結させて、世界的な共産主義を追い出すのです。(八五―二五六)
3 日本の国際勝共連合結成と勝共活動
私が韓国でまた別の分野の基盤をつくらなければならないと思ったことがあります。前にも話したように韓国を地政学的な立場から見るとき、韓国自体の力だけでは生きる道がないのです。我々韓国が日本を動かすことのできる能力を培養せずには、大韓民国は周辺の強国の間で生き残る道がない運命にあるのです。
その次にはどうしますか。直ちにアメリカを追い越して、アメリカを指導することのできる力を育てなければなりません。そうしてアメリカを主管してアメリカがどうあがいても韓国を極東から引き離すことができないように、強力な結束の体制をつくっておかなければなりません。そのようにしなければ、韓国が今日の世界の中で生存することのできる道がないと見るのです。
ところで今日我が国の状況はどうでしょうか。経済的な面だけを見ても日本やアメリカとの交流が途絶えれば、どのようなことが起きるでしょうか。今我が国はこの二つの国で起こることや、彼らの韓国に対する発言にあまりにも神経を逆立てていなければならない立場に置かれています。ところで、いったいいつまでそうしていることができるというのでしょうか。ずっとこのままでいることはできません。
私は一九六五年度に世界四十カ国を歴訪しながら、共産主義体制に対する再検討を行いました。共産主義がいかに残酷で、またどのくらい勢力を拡張しているかということなどを直接確認してみました。その時、私は時が急を要するという事実を切実に感じました。そこでまず日本で勝共運動を起こさなければならないと考えて、一九六七年の正月、四十七名の国内の勝共要員を日本に送って、勝共連合を結成しようとしたのですが、国内の一部意識の低い人々が妨害をしました。特に所管部署の人たちが統一教会を日本に送り、統一教会が日本の内部で基盤をつくるようになれば、国家を貶めることばかりするであろうとあらゆる反対をしたのです。それで仕方なく別の経路を通じて一九六八年三月になってやっと勝共連合を発足させました。
そうして日本で勝共連合を結成しながら、「我々はこれから日本で勝共活動をしなければならない」と言った時、どこの誰も歓迎する者はいませんでした。彼らは「先生は韓国におられて日本の実情をご存じないので、勝共活動をせよと言うのであって、共産党がいかに極悪かつ熾烈な闘争をしているのかを知らないので……」と言いながら日本での勝共活動に対して懐疑心を抱いたのです。
それで私が歴史的なすべての内容を挙げながら説得をしました。これそれと言う運勢が来るのに、この活動をするつもりはないのかと説得して勝共連合を発足させ、一九六八年四月一日以前には勝共の講義ができるように、彼らを勝共理論で武装させたのです。それから街頭に押し出したのです。共産党が直接活動し宣伝している場所に送って戦うようにさせ、朝総連系列の朝鮮大学にも派遣しました。ある大胆な女性要員には「お前は三年半の間、死ぬ覚悟をして朝鮮大学の前で勝共講義をするのだよ」と言って派遣したりもしたのです。(一九八〇・一一・一)
私が刑務所に入って出てくるや否や「甲寺」というお寺で考えたのが、「今後日本が問題である。今は廃墟と化したが、今後また問題となる時がやって来る。だから我々が日本を怨讐視してはいけない」と話したのです。歴史を見ると、韓国を六十余回も侵犯した日本人です。そうであっても、韓国人たちは道心をもって彼らを感動させようとしました。「韓国のあらゆる文化と技術を始めから学んで、それから我々に敵対したのではないか。いまだにこのような民族性が残っているために、我々がそれこそ愛をもって手厚くもてなす心をもち、彼らの道心を通して感動させて、滅んだ彼らのために愛の世界を立てよう。刀で復讐することのできる時代でありながらも、そのようなことはせずに彼らを愛したという条件を、彼らを愛したという伝統を立てよう!」と言ったのです。それで日本の大学界と交渉する準備をしておいて、秘密裏に人を日本に派遣したのです。
大韓民国を法治国家として見るならば、私はその時法的には違反者でした。しかし「この先十年、二十年たてば、韓国がこの団体の力を頼りにする時が来るだろう」と考えたのです。今まさしくそのようになっているのです。「民団」が「パン」と音をたててバラバラになってふらふらしている状態です。「韓青」が全部朝総連に買収されてふらふらしています。こうして見る影もなくみすぼらしくなってしまうので、「ああー、日本の勝共連合がちょっと助けてください」と言ってくるのです。私が一九六五年度に行って、そこの幹部たちを中心として「間違いなくこうしなければならない」と血のにじむような心情で訴えました。こうして「民団」の幹部と大使館の職員を中心に活動を行ったのが一九六五年です。今から七年前のことです。
こうして八・一五解放記念日に、我々が連れていった講師を前に立たせて、「壇上でテストしてみなさい。もしできないようなら間違いなくやられる」と勧告したのです。何のことはない、七年もたたずに「パン」と音をたてて壊れてしまいそうになると、私が日本に行って巡回している所にやって来て「ああー、助けてください。助けてください」と言うのです。さっと助けてやろうとすると、怨讐が一固まりになって一度に攻め寄せてくるのです。結局は大使館と「民団」が心を一つにして、我々勝共連合のパターンを引き継いで、このような混乱状況を収拾しました。そのためにチェ・ヨンソク講師がチェ博士という名で情報部において毎日のように報告されたのです。このように成果が良いのを見て、世界一周までさせながら大騒ぎしたのでした。
これから勝共連合が思想的な体系を身につけて、それこそ世界の哲学者たちを中心に、否定されることのない、すなわち公認を受けることのできる世界が遠くない将来にやってくるだろうと見ているのです。そのため現在日本各地で学者たちを動かしているのです。もう少しすれば、大韓民国の学者たちの鼻が全部ペチャンコになるのです。このように語る文先生はそのような安っぽい男ではないというのです。(六五―五八)
ご存じのように、日本宣教は韓日国交正常化に反対した一九五八年に自由党の治下で計画しました。法治国家の国民として密航が違法なこととは知りながらも、大韓民国の生死のかかった問題であるということを予見していたために、このような方法ででも宣教師を派遣せずにはいられなかったのです。
一次、二次にわたって宣教師を密航させたのですが、途中で摘発されて送還されました。第三次の時には逮捕されて、日本の大村収容所に収監されたりもしましたが、劇的に脱出して、日本における最初の宣教事業を始めたのです。
日本宣教をするに当たって重要な問題は、統一教会の信仰と思想がどのようにすれば日本文化の中心部において糾弾を受けずに、主体性をもって教化し、信仰を土着化させることができるのかということでした。またこれだけが大韓民国が生きる道であると考えたのです。日本で取り締まりの対象である密航者の立場でどうやって日本の為政者と接触する道を開き、さらに韓国と日本とアメリカをいかにして連結するのかという問題で苦心しました。
そうしながら強力な勝共運動を展開したのですが、その例を挙げれば朝鮮大学の前で若くて華奢な女性に、三年八カ月間に及ぶ熾烈な反共活動を展開させたこともありました。勝共活動を強力に展開すればするほど、朝総連と日本共産党からひどい妨害を受け、甚だしくは朝総連によって大使館が爆破の脅迫を受けるなど、あらゆる反対をされたのです。しかし、この方法以外には韓国と日本の生きる道がないということを知っていたので、このようなことをあえて行ったのです。
当時の国際情勢ではソ連による日本侵略説や、中・ソ国境問題などは想像さえできなかった時でした。しかし、私は国境問題から見て歴史的に怨讐である中共とソ連が万里の長城を挟んで互いに闘争すれば、中共が莫大な人口を動員して人海戦術をもってソ連に対していくらでも対抗することができ、またそうなれば間違いなくソ連がインドを拠点にして、インド洋に進出することを知っていたのです。したがって、日本の久保木修己国際勝共連合会長を立てて、韓国防衛が日本防衛と一致するという主張に対して同調する親韓派を結束し、この先、その背後の力までも左右することのできる影響力を育成したのです。
また共産主義活動に対して教授と大学校の理事会もため息をつくばかりで、手を出すこともできずにいたのが、(全国大学連合)原理研究会の活動によって「民青運動」を阻止させたのです。これには多くの統一教会の若者が被害を被りながらも闘争し続けてきたのでした。共産主義は相手が弱いと必ず暴力で侵略するという習性があるために、力の対決においても弱そうに見えてはいけないのです。(一九八〇・一一・一七)
4 共産主義の対日本戦略
ソ連と中共が国境問題でさかんに紛争を起こしていた時のことです。当時のソ連の国際的な戦略から見て、この蘇満国境問題でソ連の軍隊が南進して来ることがほぼ間違いのない状況でした。
万里の長城を境界として中共とソ連は歴史的な怨讐の間柄でした。彼らはいつかは必然的に衝突するようになっていたのですが、彼らが万一衝突することになれば、少数民族よりも多数民族が有利になるのは間違いのない事実でした。それゆえ中共の十億の大民族が憤慨することになれば、ソ連には支えきる能力がないというのです。中共の連続的なゲリラ戦術によって被害を受け続けることになり、そのような過程で中共が完全な戦闘体制を備えれば、シベリアをたやすく占領することもできるというのです。そのためにソ連は前もって南方戦略として中共に向かって敵対してきたのです。
このようなソ連の戦略について、私は十五年前から日本の要路にいる人々に対して久保木を通じて話をさせるようにしました。久保木を通じて、私が話すよりももっと強硬に話したのです。その時もソ連が南方戦略に転換することになれば、中ソ国境の「間島」には間違いなくソ連の基地が生まれるようになり、北海道の近海にはソ連の艦隊が増強されるであろうと、久保木会長を通じて日本の要路にいる人々に決定打を打つごとく、強硬にメッセージを伝えさせたのです。しかしこの言葉を聞いて、当時の日本の首相や議員たちはせせら笑ったのです。
ところが最近、日本の北海道近海にソ連の核ミサイルはもちろん、潜水艦六十隻が停泊しています。ここにある軍備は瞬時に日本を灰の山にすることができるのです。万一日本に対してソ連が、北海道で訓練をしようと思うから一週間ほど借用したいと言って、戦車、飛行機などあらゆる軍装備を移動させたうえで、戦車が一台故障したと言ってだまし、一小隊の兵力だけでも駐屯させるようになれば、実にたやすく日本を侵略することができる道が開かれるというのです。故障した戦車を修理すると言って、行ったり来たりしている間に一個小隊が二個小隊になり、その次には一個大隊が進駐するようになっていくでしょう。このようになればどうなりますか。さらに進んで「この島が訓練場として必要なので使おうと思うから我々にくれるつもりはないか?」と言ってくれば、日本政府としては泣く泣く引き渡すしかないのです。私はその当時に、「間違いなくその時が来るであろう」と話をしました。
このような日本の状況を考える時、私は至急このようなソ連の南進政策に対処しておかなければならないと考えました。そうするためには日本における共産党をなくしてしまわなければならないので、まず、大学界から共産党を追い払う仕事を展開しなければならないと考えました。そうするるや、我々に対する彼らの態度が変わったのです。(一九八〇・一一・一)
ソ連はアジアを制覇する終着点として日本を念頭に置いています。これはソ連の世界赤化戦略の基本ですが、中共の世界赤化戦略の基本もこれと同様です。このような世界戦略的な次元から、彼らは東北アジアに対する戦略を立てたのであり、また将来も同じ戦略を継続的に展開していくことでしょう。
それならば、このようなソ連と中共の間に挟まった北韓の金日成の状況はどうなると思いますか。金日成にとっても至上目標であり、絶対不可欠な夢があります。中共とソ連の操り人形役だけで終わるのではなく、自分も彼らと対等な次元で堂々とアジアの強国としての面貌を誇示しようというのです。ところでこのような夢を実現させる最初の目標は、日本にも共産政権を打ち立てることであると見るのです。これはただ単に私の個人的な見解ですが、事実「朝総連」を中心に活動する彼らの背後を調査してみると、金日成が日本に共産政権を立てようとする意図を裏づける証拠が如実に現れたのです。
このような戦略上の下心があったために、北韓から莫大な資金が「朝総連」を通して日本共産党の活動費として流れ込んでいるのです。そして中共の威を借りて「朝総連」を通して日本共産党を中心とした工作活動を拡大してきたのです。ソ連と中共から援助を受けながら基盤を整備し、日本共産党を中心に日本で活動を展開しているのです。それだけではなく、「朝総連」を先頭に立てて暴動、破壊工作を指令したということが調査で明らかになりもしましたが、これは真に危険なことであると言わざるを得ません。彼らの活動が破壊的であるために危険だと言うのではありません。もし、日本で共産党が主導権を握るようになれば、今まで「朝総連」が暴力行使の主導的な基盤を固めてきたという事実を押し立てることができるばかりでなく、その背後にいる金日成が日本よりももっと強力な中共とソ連をその背後に負っているために、「朝総連」が堂々と主体勢力として名乗り出ることができるようになるのです。
もちろん、そのような状況は今では全部過ぎ去りましたが、当時このような北韓の立場を知っていた私はじっとしていることができませんでした。そのためにより一層積極的に勝共活動を展開し、「朝総連」の学生連中と僑胞の学生たちをアメリカまで連れていって勝共理論を研修させつつ、「朝総連」の戦略と敵対してきたのです。それならば、日本で共産党の勢力拡張に腐心してきた金日成の将来の夢は何だと思いますか。共産主義の最高の目的は、資本主義を打倒して世界を赤化させることです。これは単にソ連や中共の目標であるだけでなく、金日成の至上目標でもあるのです。したがって、彼らは最終的にはアメリカまでも打倒しようとするのです。(一九八〇・一一・一)
5 日本での統一基盤確保
皆さんは知りませんが、日本は現在世界の共産党が共産革命を起こそうとねらいをつけている代表的な国家です。その上、日本の特徴が何かと言えば、日本はキリスト教だけを信じる国ではなく、仏教だとか雑多な文化をもつごちゃ混ぜの文化圏です。そのような混合文化圏から成り立っているために、日本が共産化されるようになれば、一つの国それ自体が批判されることになるのです。世界的に連結できる文化圏的な背景が接続されていないので、そのため共産党は西欧のどの国よりも早く日本を占領することができるのです。
日本民族は本を読むことにおいては世界でも相当な記録を残すに値する民族です。そして共産主義が相当深くにまで浸透し、今にも日本に脅威を与え得る段階にきているために、これに備えて我々の闘争目標をはっきりとさせ、マスコミを通じて理論的な闘争を大学界から始めたのです。また公開討論を提議したのですが、日本共産党は理論的に我々に勝てないということを既に知っているのです。(六五―三三五)
今皆さんが知っているように、日本での共産党の表題が何かと言えば、日本国内において国際勝共連合を打倒することができない限り、日本における共産主義革命は不可能だということです。そういう標語を掲げているということを、皆さんが知らなければなりません。理論的に勝てず、活動、機動性においても勝つことができないと自ら告白しているのです。
その次に思想的な面において、哲学思潮、哲学史観的な立場において混迷し、混沌とした体系を中心に世界人類を支配していましたが、我々は神様を中心として体系化した思想、哲学思想をもって世界に影響を及ぼし始めているのです。我々の教会こそ膨大な資源の宝庫なのです。ところでこのような事実を我々自体が知らずにいるということを私は指摘したいのです。我々がこのことをはっきりと知って、主体的な思想をもって世界の主導権を握ろうと戦いいく群れとなれば、神様は必ず勝利へと発展させてくださるのです。(七九―八一)
近ごろは日本共産党がアジアにおいて、中共やソ連よりも理論的な面で全般的な基準が高まってきているのです。このような共産党に対して、日本統一教会の若者たちを五百名くらい集めて反共運動しなくてはならないと語った時、皆さんは、先生は気が違ったのではないかと自分なりにありとあらゆる考えをしたことでしょう。「だけどやろう!」と言ったのです。もしも日本で反共活動をしなかったならば、統一教会の今日の威信が立つことはなかったでしょう。(二五―三二八)
我々は日本で毎週土曜日に政界人を対象としてセミナーを開催しました。毎回、「太平洋を中心とした今後の世界の方向」とか、「軍事的な方向」とかタイトルを変えながら集会をもったのです。
私は日本において毎回、統一教会員たちと日本人たちに団結を強調し、日本の運命は韓国の運命と一致するという議題を掲げて何回もセミナーを開催しました。このようにして新たなるアジア観と、日本政界の風土を一新させることのできる道を開いておいたのです。(一九八〇・一一・一)
これから日本は自分の国家だけの営利を図ることよりも、アジアのために働くという政治の方向性をもつならば、敵対視されることもなく、息を吹き返すことでしょう。個人的な立場から見れば、私と日本民族とは怨讐の間柄ですが、私が彼らの生きる道を考えているということを皆さんは信じることができますか。しかし、これには言葉に出して語ることのできない事情がたくさんあります。韓民族にとって日本は怨讐の立場ですが、彼らを前に押し立てて大韓民国を守護する義勇軍を創設することさえできるならば、全世界の自由義勇軍の創設が可能になるのです。
このような考えがあったので、世界のほとんどすべての国にドイツ人と日本人、そしてアメリカ人を一人ずつ、三人一組にして宣教師として送り出したのです。彼らは世界的な経済大国の国民でもありますが、一方では互いに三十五年にもわたって怨讐視してきた民族でした。言い換えれば、三民族が過去においては互いに怨讐の立場にあったのですが、宣教地に行ってからは彼らは一つにならざるを得ないのです。怨讐であった国の国民同士が一つになるというこの事実一つだけをとって見ても、隣国を一つにすることなどは問題ではないのです。このようにして、今や世界的な宣教の基盤とともに統一的な基盤が整いました。これから先は誰が統一の旗手になるのかという問題だけが残っているのです。(一九八〇・一一・一)
日本と私とは怨讐の関係です。倭政時代に私は日本の特別高等警察の刑事たちから無惨な拷問を受けたのです。その時私が一言口を滑らせれば、数百名の命が左右され得る立場から実に厳しい戦いをした男です。「日本人」と聞けば、奥歯をかみしめ、腹を切り裂くのに先頭に立とうとした男です。しかし日本が滅んで、彼らが避難するに際しては、このような怨讐である日本人を呼び出してはふろしきを包んで逃げるようにしてやったのです。「怨讐を愛せ」、こういう思いで彼らを収拾したのです。
この怨讐の国を救い、アジアにおいて韓国が第二の天国に行くことができる背水の陣を用意するために、密航船に乗せて日本に宣教師を送ったのです。それは自由党体制内では違法行為でした。「今は仕方なく違法的立場に立っているが、十年後には韓国の未来を引き継ぐことのできるその日が来る。その時のために今、私は、孤独で孤立した男として違法行動をするが、この違法行為はその時になれば明らかにされる」という考えをもって行ったのです。そのように行ったのが今、韓国から発祥した日本統一教会、日本の国際勝共連合になったということを皆さんは知らなければなりません。
さあ、団結しましょう。日本の統一教員たちは、韓国人の皆さんよりも韓国を愛しています。大韓民国の解放圏をつくるために恥辱を受けながらも、昼夜を分かたず闘争する群れが異国の地にあるという事実を、皆さんは知らなければなりません。(五〇―一五八)
日本の共産党、大学界の共産党を追い出したのも、私の力で行ったのです。それがもう十年くらい前のことになります。京都府知事、大阪府知事も、全部「アカ」だったというのです。彼らを追放してしまう仕事をするのです。このことは日本中がみな知っているのです。(一六六―一七)
日本の京都で我々食口四百三十名が、共産党十五万名と戦ったのです。戦った末に共産党が負けたのです。どのような作戦を行ったのかと言えば、毎日、一日千三百軒の家を訪問したのです。千三百軒の家を突破したというのです。毎日、一日に千三百軒を訪問することが簡単なことでしょうか。三百軒以上突破しなければなりません。千軒を標準として歩き回ったのです。(一六四―二二九)
今大阪、名古屋、京都のようなところは共産党が勢力を握っている場所です。ここにおいて、我々(全国大学連合)原理研究会の学生たちが命を懸けて決死的な活動をした結果として、日本のあらゆる経済人たちが、この共産党のやからと戦わなくてはならないのだということを自覚するようになりました。それで彼ら自身が原理研究会の背後から後援会を組織している実状なのです。
今日本の大学街で起こっている共産党の組織活動と原理研究会の活動とは、天地の差があるのです。それこそ、神様の役事とサタンの役事とが起こりつつあるのです。
それゆえ、我々はここで犠牲を覚悟して彼らに対抗しなければなりません。そうでなければ間違いなく中共系の共産党や、朝総連系の共産党と、原理研究会の学生たちとの間に衝突が起こるようになっています。もしそのような衝突が起こって、我々原理研究会側が一人でも犠牲になるようなことがあれば、我々は日本人が犠牲になったという点を取り上げて、民族感情を刺激し日本の全民族にこのことを訴えるのです。日本人が犠牲になれば、それが中共系の共産党の操作によって日本人が死んだのであっても、中共系の共産党が殺したと叫ばなければならず、また朝総連系を拠点とする共産党のやからが日本人を使って殺させたのだとしても、アジアで最高を自負する日本民族の感情に訴えて、朝鮮共産党によって民族が犠牲にさせられたと大声で叫びながら、前進しなければならないのです。(二二―二二四)
共産党、社会党が脅威を感じて「統一教会が日本をのみ込んでしまう。ごちゃごちゃしたやつらがしゃしゃり出て日本をのみ込んでしまう。文牧師が日本をのみ込んでしまう」と、反旗を掲げて大騒ぎをしています。そうしながら、統一教会を追い出してしまおうと国家的に騒ぎ回っているのです。(一六三―一二)