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1 中共の立場
堕落することによって、個人からアダム国家、エバ国家、天使長国家が生まれたために、神様の復帰摂理においてこれを収拾するのにも国家として収拾するのです。そのためにこのような国家を探し出そうと、サタン世界を二つに割っておいたのです。そのために韓国を中心として以北に金日成という父親が生まれたのです。金日成がサタン側のアダムなら、中共はエバです。
それゆえこのエバ国家・中共がこの先、共産圏において最も問題であるというのです。中共が一番の問題なのです。アジアにおいて最も問題になる国がどこかと言えば、ソ連でもなく、金日成でもなく、中共なのです。そうでしょう? ソ連は最初で、蘇生なのです。このようになっているために、この三国家がサタン圏のアダム国家、エバ国家、天使長国家なのです。(六八―三五)
今日共産党を踏みつぶしてしまうのに、アメリカの太平洋沿岸から共産党との闘争問題もすべて南韓と北韓との戦いいかんにかかっているのです。ソ連と直接競争をするのではなく、すべて大韓民国次第なのです。
アメリカの国境はメキシコではなく、大韓民国なのです。国境を確定しなければならないのですが、現在金日成とソ連は一つになっています。このような情勢において先生が準備してきたあらゆる作戦が展開されるのですが、この時韓国がアダム国家、日本がエバ国家、アメリカが天使長国家であり、ドイツがカイン側のアダム国家です。
アベル国家とカイン国家が一つになってアジアに来る時、サタン側のエバ圏の位置にある中共を引き入れて、中共さえ崩してしまえば、蕩減復帰の原則によってサタン側のエバ国家を失ったサタン側は一巻の終わりとなるのです。すなわち、中共さえ我々の側に転換させてしまえば、共産主義は問題ないというのです。
このようなことは私がすべてするのです。この熾烈な戦いのために先生はあらゆるものを忘れて、三十年の間、迫害を受けながらも精誠を込めて歩んできたのです。我々の幹部が中共に行って、自動車をつくる計画をすべて仕上げてきて私に報告を行った時、「私が三十年精誠を込めたものが、とうとう地に根を下ろしたのだなあ」と言ったのです。一年ではなく三十年です。
このようにしなければ南北の生きるべき道がなく、強大国の間に挟まれて、韓国が生きて行くべき道がありません。
神様が念願され、神様が保護してくださって、文牧師が韓国人として生を受け、この四大強国の圏内でアメリカと日本と中共を連帯させて、ソ連を抑制することのできる環境をつくる基盤を整備することによって、韓国の生きるべき道が開かれるようになったのです。(一九八六・一・二六)
我々は中共に影響を与えなければなりません。中共に影響を及ぼすことができれば、インドは「ポキッ」と、そしてソ連の基地までも追い出すことができます。北方の防衛から南方の防衛基準まで全部……。人種が異なります。インドはアジア人種なのです。トインビーの学説を通して歴史的に見れば、人類学上同じ一族なのです。(一六三―三〇)
中共は神様の助けとアメリカの助け、自由世界の助けを必要としています。(一九八六・八・二〇)
2 中共が刷新され得る道
中共はこのまま共産主義のイデオロギーの虜になったままではいないであろうという兆候が、さまざまな面において現れています。特に経済、文化、体育など、非政治的な面においては解放政策と実利主義を追求しています。韓国も近く中共と非政治的な面における交流が拡大されると確信されます。問題は、韓国と中共の間に交流が拡大されれば、北韓がどのような態度を取るのかということです。今や中共は、ソ連を宗主国とする共産ブロックの一員であると見ることができません。政治体制は社会主義ですが、経済は資本主義経済へと移行しつつあり、文化、芸術の面においては伝統的東洋文化圏を復興させながらも、世界との交流を拡大していくものと考えられます。
このような中共の立場の変化は、南北関係にも極めて大きな影響を与えることでしょう。今や急がなくてはならないのは、北韓の金日成政権のほうであると言わなければなりません。政権世襲の問題も残っており、経済復興も課題として残されているばかりでなく、共産圏においてさえ孤立しつつあるのです。意外に、変わりゆく国際情勢に追われる立場にいる北韓が挑発してくるかもしれませんが、これに対処する準備を整えるなら、南北関係はたやすく解決される可能性もあるのです。(一九八六・一〇・二一)
先生も未来の基盤を課題として十年、二十年前から準備を行ってきました。今日中共を見ても、彼らが自由世界の側に帰ってくることを知って、三十年前から祈祷しつつ準備をさせてきたのです。一九八一年には「科学の統一のための国際会議」(ICUS)を中心として、科学技術を伝授してやることのできる方法を模索したのですが、「世界平和教授アカデミー」(PWPA)を中心に具体的な方法を彼らに提示することになりました。それで今日、中共に建設している自動車工場をはじめとして機械工場が建設されるようになったのです。(一九八六・一〇・二一)
中共を引き入れるために、中共が体制を変更する前からICUS、国際ハイウェイ建設などの作戦を開始しました。中共が近代化するのには科学技術が絶対的に必要なのです。先生がドイツの技術を中心に、もう五年も前に第十回、第十一回ICUSの時、僑胞たちを中心にドイツの科学技術を集中的に中共に伝授させて、中共を技術文化国として創建することを宣布しました。
私が宣布したのですから、実践しなければならないのです。そこでドイツにある最高の工場をいくつか連結して、このような目的のために中共とともに行動することのできる段階へと進みつつあります。本当に愉快な方向に展開しているのです。(一九八六・一・二一)
この前、アメリカの有名な言論人、四十余名が極東アジアを訪問したのですが、彼らは中共にも立ち寄りました。中共は現在韓国とも経済、文化、体育などの非政治的な面で交流をもつことを望んでいます。それを北韓のために表ざたにできないでいるのですが、もうすぐ現実となって現れるでしょう。しかし彼らがその国体を変えない限り、アメリカから十分な経済支援を受けることのできる立場にはなれません。西ヨーロッパや日本から経済的な支援を受けるにはまだ高い障壁が立ちはだかっているので、彼らはそのための環境を造成する政策的変化を試みているのです。
中共が経済的に発展するためには、多くの資本と技術を必要としているのですが、それが現在の体制のもとにおいては思いどおりに果たせないのです。このような現実において中共の指導者たちが言論人訪問団を迎え入れたのです。言論人団を中共駐在のアメリカ大使が案内したと聞きました。中共の指導者たちが言論人たちと会った席で、統一教会の活動と先生について多くの質問をしたということも耳にしました。これは経済的に支援を受ける方法がないものかと思って、このようにしたのだと考えられます。
我々の傘下基盤には「世界平和教授アカデミー」があり、言論と経済機関があるために、自分たちに必要な資本と技術を充足させることができると考えたようです。何はともあれ、中共は統一教会に対して研究を開始しました。これは必要とあらば、統一教会のもつ基盤を利用したいからでしょう。彼らは、「世界平和教授アカデミー」に、中共の経済発展のためのプロジェクトに関心をもってほしいという意思を、今回訪問した言論人団を通じて提案してきたのです。(一九八六・一〇・二一)
これから先、我々には成さなければならないことがあまりにもたくさんあります。仕事が多すぎて心配なのです。ドイツでは我々の機械工場を中心に文牧師が有名になりました。かの地にある工場を四つも購入しました。現在、我々が所有している工場の実力を見るならば、どのような材料でも持ち込んで一〇〇パーセント自動車を造ることが可能なのです。このような基盤を整備しておいたのです。何でも造ることができます。ドイツにおいてはどんな物でも造ることができるのです。そのような基盤を整えました。
今は文牧師がもっている科学技術に対して、中共がかなり関心をもっています。それで技術面の使節団が、韓国を経てドイツを視察するために訪問するようになっているのです。そのようなことを皆さんは知らないでしょう? このようなことも考えなければなりません。中共について考えなければならないのです。
今や、誰が中共を主管するのかということが問題です。世界を主管をしようとするならば、まず中共を主管しなければなりません。中共とアメリカとどちらが難しいと思いますか。アメリカは科学技術が制度化されているので問題がありませんが、中共はこれから整備しなければなりません。
科学技術においてはアメリカも中共をどうすることもできず、ドイツもこれをどうすることもできません。風土が違います。そのためにアジアにおいては、先生が主導して、韓国を中心に日本と一緒に中共を指導しなければならないというのが、中共の高位層にいる人たちの見方です。中共の高位層、上部においては先生に対して関心が高いのです。中共をそうするために、先生がこれまで約三十五年の間、精誠を込めてきたのです。
今が中共を刷新する良いチャンスです。思想的な面において現在の体制に対する変更が必要なのですが、これに対処することのできる思想はいかなる思想でしょうか。それには統一思想だけが可能であるというのが、今の中共の学者層の見方です。それでヘッド・ウイング(headwing:頭翼)ということを提唱しているのです。今やこの先皆さんがこのアメリカさえ動かしておけば、世界はすべて我々の時代へと移行していくのです。そのような認識をもって準備を行ってください。準備をしなければなりません。(一六一―二八六)
3 中共を通した統一基盤の確保
南北に引き裂かれた韓国が統一されるとするならば、民主世界と共産世界とに引き裂かれた世界を一つに統一することのできる、摂理的な基盤が成し遂げられるようになるのです。先生もアメリカを中心に中共を元どおりにするための役事を、ずっと前から実践してきました。アメリカの各州の責任者たちに中共を助けるための募金運動を行うようにさせたのも、中共を元どおりにするための一つの方法なのです。中共に工場も建てており、安保の技術や情報も提供し続けています。中共はもうすぐ正常化されて、南北統一に際しても、その役割が増大すると思われます。このようなすべてのことが南北統一を念願する神様のみ旨に従って準備された内容なのです。(一九八八・四・七)
皆さんもご存じのように、何年か前に日本の田中政府は中国大陸の経済圏を目的として大騒ぎをしました。その時、私は四、五年もたたずに撤退するだろうと見たのでした。中共に行って彼らと手を握って働こうと思うなら、まず発電所から建てなければならず、工業技術学校を建てなければならず、専門学校、大学を建てなければならないのです。文化革命でめちゃくちゃになったその当時としては、中共への経済進出が難しかったのです。
中共がソ連との間で角逐戦を繰り広げていましたが、中共のほうがソ連よりも十五年ないし二十年は後れているのです。これをどのように補強するのかということが問題です。急進的な方法が二つあります。一つは日本の背に負ぶさる方法で、もう一つは日本そのものを手に入れる方法です。しかし現実的にはその二つとも難しいのです。そこで私はこう考えました。今、蘇満国境地帯から沿海州と北満州一帯に我々の韓国僑胞が二百五十余万名住んでいますが、私はこの二百五十余万名の僑胞を糾合して勝共思想で武装させ、彼らを通して機械工業を起こし、中共に産業を起こすことのできる役割を担当すればどうかと考えたのです。それで私がドイツに機械工場を購入しようとしているのです。
ICUSを通して縁が結ばれた世界的な碩学たちを活用して、ドイツの責任者に指示をし、ドイツのあらゆる機械工場を調査しました。その中からまず百箇所を選んでから、その次に三十箇所を選び、再度これを三箇所に圧縮して購入することにしたのです。この工場は、ソ連やその他どのような衛星国家から買いに来ても、一台当たり五百万ドルする機械を造る工場なのです。
そのため中共の首相と工業大臣が、その工場の社長に協力を要請するようなこともあるそうです。この工場を私が入手することになれば、ドイツ人を前面に立てて仕事をしていくつもりです。
このようにして我々の僑胞たちを中心にして、中共の工業化を展開するのです。我々の僑胞たちは粘り強いのです。多くの人たちが独立の闘士でしたし、中・高等学校以上を卒業した教育水準の高い人たちです。それゆえ僑胞たちを中心として工場を建設すれば、北京をはじめとして中共全域にわたる工業発展を成し遂げることができる基盤を整備することになるのです。このようになれば、金日成がいかに鴨緑江、豆満江においてゲリラ戦をもくろんでもソ連や中共が大韓民国に協助しようとすることでしょう。(一九八一・四・二六)
満州には僑胞たちが多いのですが、そこに私が今六階建ての工科大学を造っています。まだ韓国には大学を建てていないのですが、政府と既成教会は我々が大学を建てるのではないかと反対しているのです。他のことはだめでも、このようなことだけは目ざといのです。中共に工科大学を建てて工業施設をつくるのです。これからアジアの国民を教え導くために、先導的な最高の先端科学技術を私がもっていって教えるために、今工科大学を建てているのです。(一六二―二四五)
私は三十八度線を越えて来ながら、私のこの手で金日成を取り除くことを固く誓いました。そのための与件をつくり上げるために、アメリカ、日本、中共に基盤を確立し、もう既に宣伝工作を終えているのです。これら三つの国を主管することができなければ、大韓民国の統一ははるか先のこととなってしまうのです。私は十年前からドイツの教授たちを通じて、中共の内部において体制の変化を試みてきました。最近になって、中共政府と自動車部品の生産協定を締結しました。
大韓民国、この国は五千年の歴史を経て、神様がこれを愛し、慈しみぬいてきた地であるという事実を知っているので、たとえ私の骨が折れ、肉が溶けるような痛みを経験しようとも渾身の力を尽くして愛してきたのです。
今まで赤字を出しながらも、統一産業を育ててきました。このようにして初めてドイツを連結させ、中共と通じることが可能になるからです。そのようにしなくては日本も生き残ることができず、韓国にも生きる道がないのです。これから統一産業に中共の技術要員たちが来て、訓練を行うようにする予定です。中共を生かすために、このようにするのです。(一九八六・六・一)
今日私が工場をつくったのは、この統一教会の皆さんが、たくさん食べて楽に暮らすためではありません。国と世界のためにつくったのです。千辛万苦このような思想をもって、昼夜を徹してそうしたのです。
どこの誰が同情しましたか。見なさい。どこの誰が同情したというのですか。宗教指導者が工場を経営してどうしようというのですか。大韓民国の企業が世界の先頭を走るようになるまでは、文化的民族になることができないのです。そのままにしておけば不渡りが何十回も出るのを、私が借金をして穴埋めしながら引っ張ってきて、今日世界が否定することのできない統一産業をつくり上げたのです。ただお金を稼ごうという人たちとは違うのです。私がその時その工場をつくって、他の人と同じようにパンを商い、飲料水を販売すれば、お金を稼ぐことができるだろうということを知っていました。しかし、それは誰にでもできることです。それはいつでもできることなのです。
国を治める人たちが私を嘲笑しましたが、今からは、私の世話にならなければならない段階に入ってきました。今になってやっと、あの文総裁は立派だと……。
このような伝統的な歴史時代を経て、受難の過程を克服してきたことを見ても、私は皆さんと同じ考えをもった人間ではないのです。アジアを連結させようとするのです。そのために、私は満州にいる僑胞たちにも接触しています。延辺に工科大学を造るのですが、私がそのためのお金を出しているのです。その施設を造ることに加えて、あらゆる科学機材を私が提供することを約束して、今これを供給しているところです。中共が何ですか。統一教会と何ら関係がありません。それでも与えることにしたのです。その代わり韓国の僑胞たちが主導権を握るのです。中共に工場を造ったのはアジアのためであり、アジアにつくった基地は世界のためのものなのです。結局は神様が行かなければならない版図であり、基地造成の発展的な過程なのです。(一六八―一二〇)
我々はカイン・アベルの原理を知っています。ですから金日成に対しても力づくで屈服させようとはしないのです。愛で屈服させるのです。そのために私が今中共を通して道を開くのです。中共が私の言葉を聞きさえすれば、安東に救済事業体をつくって数十万、数百万ドルの救援物資を以北に積んでいって与えようとしているのです。うらやましいでしょう? (笑い)取り柄のない統一教会の会員たちには与えずに、今や中共に橋渡しをしようと、このような考えをしているのです。(一九八七・一一・八)
私がこれから行わなければならないことは何ですか。今以北に二千万の国民がおなかをすかせて、死ぬしかないような境遇に置かれています。これをどうしますか。自由世界にある我々のあらゆる組織を動員して、二千万国民救助運動を行えば簡単であるというのです。どこを通して行いますか。中共を通して行うのです。満州にいる我々の僑胞を通して物資を送ってやるのです。
物資を送るにもただで与えるのではありません。必ず我々の側の人たちが行って分け与えるのです。それが条件です。このような方法で物資を分け与えず、ただで与えれば全部国家の管理体制を通して配給制度に従ってそのまま分配しようとするのです。それゆえ我々が組織編成を行って、我々が分配しなければなりません。
そのようになれば物資を分配する組織が北韓の地に連結されるのです。そうではないですか。飲まず食わずの状態のまま生きるより、我々が食べさせてやるのがもっと良くはないのかというのです。二千万名くらい養うことなど何でもありません。このように経済的な支援を行って門戸を解放しようと考えています。今私が中共の高位層を中心に安保会議を開催するのも、このような理由からなのです。今もそうなのです。日本を通して国際ハイウェイ問題をもって、今回八月に使節団が中共に行きます。既にこのような段階まで上がってきたというのです。
中共が今、最も怖れているのが何かといえばそれは経済問題です。経済侵略を最も怖れているのです。そのため日本人がそのまま中共に行くことができません。必ず韓国人を媒介としなければなりません。韓国人を媒介とするのに、韓国の大統領をもってしても不可能なのです。そのような道がありますか。今までそのような媒介の役割をすることができる体制を私がつくってきたのです。
それで統一教会と一つになることによって、日本を中共と連結させることが可能になるのです。一九八一年のICUSの時、私が「国際ハイウェイ」について発表したという事実について彼らは実によく知り尽くしています。それを今この場で始めることができるのです。その工事をいったん着手するようになれば、どのようになると思いますか。今中共は我々に対してこのようにしてくれることを願っているのです。
そうではないですか。機械を全部動員して行えばよいのです。お金はそれほどかからないのです。中国の人たちに教育をしてやり、ご飯を食べさせてやればそれで終わるのです。月給のようなものは問題ではありません。人件費も問題ではないのです。奉仕させるようにするのです。韓国人が来て手助けをしてやり、日本人が来て手助けをしてやるというのに、お金を出す必要がどこにあるのでしょうか。ご飯を食べさせてやるだけでも中国としては有り難いことでしょう。このようにしていくらでも仕事を推進することができるというのです。このように道が敷設されるようになれば、三年もたたないうちにアジアを越えて世界の門へと登場することになるのです。
韓国はまさにそのような基準に立って南北統一運動を行わなければなりません。そのようになれば、世界で最も混乱した政治ということで注目を受けている南韓の政治体制が完全に整備されざるを得ないのです。そうしながら国会議員を……。韓国の国会議員は二百七十名ではないですか。その二百七十名をしっかり把握して教育しておけば、それですべてが終わるのです。そうではないですか。(一六七―一九)
4 中共で開催された国際安保大会
今回中共で行われた安保大会を通して中共が完全に……。中共ではソ連に対抗するために、今回三月二十日から安保大会を行ったでしょう? アメリカの有名な戦略家たちと国防省および国務省に所属する人たち、世界的な大学者たち、権威のある人々を連れていって、中共出身者たちを中心にソ連に対する戦略大会、大小の戦略大会を行ったのです。彼らは大学者たちなのです。中共とアメリカの将来の政治的方向性を、ソ連を標的にしたそのような対外戦略会議を私が主導したのです。ホワイト・ハウスでは文牧師がどのようにしてそれを行ったのかと言いました。国務省では、どのようにして自分たちにもできないことを文牧師が行ったのか、そんなことはうそに違いないと言いました。国防省でも「どうしてそのようなことが可能なのか。中共でそのようなことを行うことができるのか。 我々の言うことも聞かないのに、どうして文牧師の言葉を聞くのか」と、私が中国に行くその日まで反対したのです。中国に行ってくれば全部国会に報告するようになっているのに、今まさに飛行機に乗るために出発するという時になっても全員信じなかったのです。実際中国に行ったのに信じなかったのです。
過去においては、会議のためにアメリカ政府の重要な地位にいる人たちが中共に行ってくれば、そのつど彼らに利用されてきたのです。そのため文牧師も彼らに利用されてくるに違いないと言いました。中共の高位層がこうしようと言うとおりに行い、彼らのプログラムに書かれているとおりに動かされて「おだぶつ」になってけ飛ばされてほうほうのていで出てくると、そのように考えたのです。そのことを私が知らないとでも思うのですか。全部知っているのです。
すべて契約をしたのです。会議を行った内容はその結果が出るや否や即刻我々I・S・C(International Security Council:国際安全保障協議会)においてそのすべてを公開出版して世界にばらまこうとね。出版してそれをばらまけば、ソ連に対する中共の外交政策がすべて公になるのです。アメリカに対する政策、世界に対する政策、ソ連に対する政策がすべて公になるのです。契約上はばらまくことになっているのですが、実際それをばらまけば中共自体が大変なことになるのは目に見えています。そのため現地に入るや否や引っ張るのです。
どのような手を使ってでも出版できないようにしておいて、自分たちでそれを行おうとするのです。けっ飛ばしてしまえというのです。そこで私は、もし出版できないようにすると言うなら、即刻後方に戻るように指令を出したのです。そうなれば、彼らが帰って来てから我々のワシントン・タイムズを中心に世界の言論界でそれまでとは反対に中共に入っていってはならないと吹聴するのです。そうなれば、その余波を被って中共は十年、二十年もの間外交政策において後れを取るようになるのです。
ですからアメリカの大使が忙しく走り回るのです。アメリカの大使が火がついたようになって、この人たちをつかまえ損なうようなことになれば大事になるからどのような手段を使っても……。文先生が会議を周旋するのに当たって、アメリカの大使が夜昼を分かたず駆けずり回るのです。そうせずにいられますか。
アメリカの大使たちにしてみれば、この人たちは等しく自分たちの師匠ですからね。下の人が言うことを聞かずにいられますか。そこで中共で十何時間も争いました。帰りの飛行機のチケットを買っておいて、いつでも背を向けるように見せておいて、万一中共側が出版に関して約束に応じないようならば、飛行場に連絡をするのです。だから忙しいのです。チケットを買って帰ってしまえば、彼らがいくらじだんだを踏んでも追いつかないのです。彼らもそのことを知っているのです。だから慌てふためいて自分たちが悪かった、我々の言うとおりにすると言ったのです。
自由世界から来るあらゆる国家機関の幹部たちを全部自分たちの思いどおりにしてきたことで中共は有名なのです。ですから中共に関する報告は自由世界に一つもないのです。それが今回我々のために問題が引き起こされたのです。帰ってきて上院委員会で報告すると「ああ、我々にもできないのに文牧師がどうやってこのようなことをやって来たのか」と、こう言っていたのです。「あなた方が問題ではなくて、私自身が行わなければならないために、この仕事をするのではないか」。こう言って問題になって……。こうして中共の外交政策に関するあらゆることが、この論文を通して完全に公になったのです。そのおかげで中共とアメリカが安保会議を通してソ連に対処するようになりました。世界平和を成し遂げるに当たってソ連が元凶であると烙印を押されるようになって、中共自体がソ連と妥協することができなくなったのです。外交の舞台において綱を断ち切っておいたのです。そのような仕事を今行っているのです。(一六三―二〇二 一九八七・五・一)
これまで中共が果たしてきた役割は、アメリカのあらゆる研究機関、あるいは官吏たちをあるセミナーなどに招請しておいて、彼らが出掛けてくれば彼らを全員自分たちの側に取り込んでしまうのです。約束をしておいて、そこに参席した人たちが万一会議をしないでそのまま帰っていけば彼らも面目が立ちません。費用もたくさんかかっています。こうして政府機関をはじめアメリカのあらゆる重要な機関の才僚を全部取り込んでおいて、自分たちの才僚は外に出ることができないように封じ込めておく、そのようなことをしてきたのです。
そうこうしているうちに今回私に露見したでしょう、打つなら打ってみなさい。今回中共に行った十名の人たちは、世界の戦略家たちの間で名の知られた人たちです。一つの国を動かすことのできるそのような代表的な人たちが行ったのです。そう、中共のアメリカ大使が仲介の役割をしました。そのために会議をしないで帰って来れば、問題が大きいのです。そのまま帰って来ればほっておくと思いますか。帰ってくるや否や新聞記者たちがインタビューをして発表してしまい、中共のこのような不正行為をあからさまにしてしまうことでしょう。だからアメリカの大使が脅迫をしたのです。「あなた方がこの人たちを拒否するなら、どんなに騒いでも十年、十五年は後れることになる」と言ったのです。
それで飛行機のチケットをさっと買って帰ろうとしたのですが、運勢が既に変わったということに気づいて、自らの首をうなだれて会議をしたのです。その資料を全部出版することになっています。今まで中共全体の各分野に反映された政策についての論文を書いたのです。それが出版されることになれば、今までの中共の政策の方向がはっきりとその姿を現すようになっています。外交政策であるとか、国内政策、ソ連に対する政策、あらゆるものが国際舞台に知られるようになっているのです。
そうなれば中共としてはかえって大きい消耗です。二つの問題があります。最も大きい問題は何ですか。アメリカにおいて中共に対する世論が悪化するという問題です。また世界戦略において、共産主義が世界平和に対して妨げになる、中でもソ連が妨げになるという問題が発生するのです。
そのため中共とソ連を分離させ、中共を中心に自由世界と協力してソ連を防御することが文牧師の政策なのです。彼ら自身もこのような事実を知っているのです。万一会議をしないで帰るようになれば、今私に対するすべての基盤が世界的に全部ふさがってしまうのです。アメリカの道もふさがりそうだし、ヨーロッパの道もふさがりそうなのに、私がもっている基盤について調査してみると、大したものだというのです。
彼らには自由世界のどのような基盤よりも、私がもっている基盤のほうがもっと魅力的なのです。国家の背景をもった基盤というものは、例えば日本ならば日本という国家の利益に反した取引は行わないのです。アメリカもそうですし、ドイツもそうですし、先進国はすべてそうなのです。しかし我々は空中に浮かんでいる人たちです。それで私が技術の標準化というようなことを叫び、世界平和を提唱することができるのです。
それで中共を隔離させておいて自由世界に連結させ、あらゆる技術をそのままただで移転させようと考えています。彼らは自分たちの情報網を通してそのことを知っているのです。そのため結局は、文牧師を失ってしまうことを怖れて二つの問題に神経を遣っています。ソ連に対する方向性の問題が一つと、それからもう一つは文牧師に対する連結の問題です。私が世界平和に対する基盤をこれまで整理しておいて、共産主義に対してこれまで理論的な闘争を行ってきながら、全世界に平和のための基盤をつくり上げてきたという事実を彼らは知っているのです。
このような面を見る時、我々はあらゆる政策的な思想教育を一方的に行いつつあるということができます。彼らは我々の思想に魅力を感じているのです。ですから神様が存在されるということさえしっかりと教えるならば、今までの中共の体制はそのまま生き返るのです。そのため我々のほかには、共産主義に対処することのできる理論的な基盤を備えている団体は自由世界にありません。ですから中共は自分の外交基盤を通して、情報網を通して我々に関する資料を収集し、これまでたくさん研究をしたことでしょう。自由世界には我々のような基盤がほかにはないのです。
今回中共から統一産業に十三名がやって来るということでしたが、いつ来ますか。(五月です)。五月ですか。(はい)。彼らは来ざるを得ないでしょう。来てみれば目の色を変えることでしょう。韓国にやって来て一周回ってみれば、今中共に最も必要なものを我々が所有しているということを知ることになるのです。
そこで今アメリカの国務省とホワイトハウスにも、我々が資料を持っていって聴聞会を開き、政策の方向性を修正することのできる方へ導こうとしています。そのようになればアメリカの行政府が、文牧師の計画に参加するようになるのです。外交舞台を通して、彼ら自身がこのようなことはできないと思われることを、我々が今楽々とやってのけているのです。この五月からは中共の重要幹部たちに、アメリカで産業視察させることに関して交渉を行っています。(一九八七・四・九)