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 第二節 人間の誕生

一 私たちに対する祈祷

この時間ここに集まった子女たちの心の内を、お父様、うかがってくださいませ。お父様、私たちはだれとともに生まれ、だれとともに生きていき、だれとともに死ぬのでしょうか? お父様とともに生まれることのできない人間であり、お父様とともに生きることのできない人間であり、お父様とともに死ぬことのできない人間でありました。しかし、そんな私たちに、お父様とともに生きることのできる道を教えてくださった、その恩恵に、私たちは千万回感謝を捧げても足りません。お父様の前にこの身のすべてを生きた供え物として捧げても不足であるという事実を発見し、お父様の前に差し出すには、あまりに汚れた私たちの姿であることを、もう一度確認しました。

それゆえ私たちは、お父様にお捧げするにはあまりに恥ずかしいこの身を覆いつつ、この姿をいかに隠すかを心配して気をもみつつ現れなければならない人間個体、個体であります。それにもかかわらず、私たちは、お父様の前にあまりにも高慢でありました。お父様の前にあまりにも傲慢でありました。そうでありながらも、私はお父様の息子であり娘であるので、この姿を受入れてくださいと直接通告しえる、大胆な姿を持って現れた私たちでありました。(二七・二〇九)