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二 思春期の特徴

一生において思春期といえば、思春期には目も四方に大きく開き、心も四方に大きく膨らみ、体も四方に膨らみ、全体がすべてよいといえる環境の中で寝ころんで暮らしたい、そんな心が広がるのです。心が広がりながら、宇宙とともに関係を結びたい気持ちが生ずる、そういう時が思春期だというのです。

すべてが春を象徴するのです。春は拡張の季節です。持てる力のすべてを、ありのままに発揮する時です。自分が本来持っている要素の、すべての力全体を発揮し尽くす時なのです。(一六六\二〇九)

アダム・エバは成長してどうなりましたか? 五歳、六歳、七歳、八歳、九歳、十歳、このように成長して思春期を迎えるのです。その時になると、世の中で起こるすべてのことを、どんどん知るようになります。どんどん大きくなれば、どんどん知るようになるのです。そうしてどんどんどこに行き着くのでしょうか? 親戚を知り、どんどん知って行くのです。世界を知り、どんどん知っていくのです。そうして「ああ、これが愛なのだなあ」と言いながらどんどん成長していくというのですね。

そして、その時になってよくよく見ると、愛の目で見ると、世界のすべて、宇宙のすべてが自分の圏内にあるというのです。そうすれば、「私はこの圏内を中心としたすべての要素を代表する者だ。私はこの圏内を中心としたすべてのものを代表する偉大な私だ」このようになるのです、これが。そのときは自分がいちばんです。そうでしょう?(一三〇\一五六)

皆さん、思春期時代にはですね、天下の王子になった気分なのです。そうですか、そうじゃないですか? そうなのです。何でも自分を中心として、ひっくり返して、考える時代です。このように、思春期時代は反駁する時代なので、自分と分かってくれなければ、いくらでも他の道へ行く可能性があります。それゆえ、今日青少年たちの問題が世界的な問題となったのです。思春期には、どんなことでも自分を中心としなければ嫌なのです。しかしながら、自分と関係を結んだならば、それがどんなに微々たることであっても、得意になるのです。

二十歳前後になると女の子たちをよく見ることですね、わけもなく「ヒヒヒ…」と笑います。(笑い)秋に葉がみんな落ちた柿の木から、よく熟した柿の実がポトリと落ちるのを見ても、ハハハと笑います。それは何か分からないけれど、通じるということです。すべてのことが皆自分と関係を結んだゆえに最高の感情が誘発されるのです。それゆえ思春期というのは、あらゆるものに接して因縁を結ぶことのできる転換点なのです。

それはどうしてでしょうか? 神様の愛を中心として、男性と女性を完全に百パーセント一つにするための神様の創造本性が土台となっているためです。ところが、これが間違ってしまったためにへこみ、踏まれて砕けて、あたかもよい器にひびが入ったも同然になってしまったのです。(三三\三三三)