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二.南北統一は韓国単独ではできない

 今日我々が暮らしているこの世界で、個人として生きる自分自身の生活というものは世界史的な侵害を受け、世界史的な影響を受けるということなのです。大韓民国だけ取り上げてみても、大韓民国自体だけでは生きることができません。大韓民国は必然的に世界思潮の直接的影響を受ける時代圏内に入っているのです。いかにその影響を受けまいとしても、既に備えられた環境がそうなので、大韓民国だけでは進んでいくことのできない時代であるということを知らなければなりません。大韓民国が進もうとすればアジアが、アジアが進もうとすれば世界が、世界が進もうとすれば世界だけでなく、今日人間は目に見える世界だけを考えていますが、ここには霊界というものが必ず控えているという事実を知らなければなりません。(九九―二九五)

 韓国において我々が共産党に勝つには、単一作戦をもってしては勝つことができないというのです。共産党は国際的な組織をもって体系化された思想を中心とした独裁主義であるために、この思想に勝とうと思えば、単一国家としては絶対に不可能なのです。すべての民族を動員して攻勢をかけることのできる、そのような統一戦線、世界的な戦略を立てるまでは不可能なのです。

 韓国が万一どうかしたはずみで北韓の金日成を打倒して南北を統一したとしても、ソ連を、そして中共をどうやって消化することができるでしょうか。できないのです。近ごろ金日成、金日成と言いますが、金日成がいなくなればどうなるのでしょうか。

 ソ連はどのようにし、そして中共はどうするでしょうか。もっと問題が深刻になるのです。分かりますか。だから韓国はどのみち国際的な基盤、友邦の土台がなくては生きる道がありません。生きる道がないのです。(七八―三二二)

 南北韓を統一させることのできる統一戦線を編成し、アジアで日本と中国を連結し、最後にソ連と中共をどのように押し出しますか。

 今我々が行かなければならない道は以北も以北ですが、中国共産党とソ連を押し出しアジアをどうやって父のみ前に帰一させるかというところにあるのです。さらに一歩進んで世界をいかに父のみ前に帰一させるのかという問題が、今後我々が戦っていかなければならない、実に大きな使命であるということを考えると、今から準備を行わなければなりません。(二七―三五四)

 南北の統一という問題は世界を取り込まなくてはできないのです。どこの誰にもできません。いかに騒いでもできないというのです。我々はこのような理論的な体制を中心として、どうしてこのように行わなければならないのでしょうか。神様の摂理観に立って見ても、統一教会の原理から見てもそうなっているのです。(一六六―二七〇)

 今まで、私が成さなければならない責任はやり尽くしました。霊的に見ても、肉的に見ても、民族の前においても、統一教会の前においても、神様の前においても私の責任は果たしたのです。韓国に対する責任を私が全うしたのです。ただ一つ残っていることがあるとするなら、それは南北統一を成し遂げる起源をつくることができなかったことなのですが、これは韓国の力だけではできません。世界が共通に責任を負わなければならない問題です。これは、今から私が世界的に働くことによって可能になるのです。それ以前にはできないのです。(七九―一三八)

 南北統一をどこで行いますか。私は、大韓民国自体だけで南北統一をするとは夢にも思っていません。世界の友邦を通じなくてはできないのです。(一九七九・一〇・二八)

 我々は三つの民族を収拾しなければなりません。韓国だけではできません。アジアにおいて韓国と日本と中国を連結しなければならず、世界においてはアメリカを中心としてドイツまで連結しなければならないのです。戦いがずれているためにそこまではまだ遠いのに、ここで喜んでいてはだめだということを、皆さんがはっきりと知らなければなりません。(四九―二三四)

 大韓民国がこの先解放され、統一されるためには、大韓民国と北韓自体だけではできないというのです。これは世界の国家を集め、民主世界を糾合して力の基盤を動かさなくては不可能なので、そのような準備をしなければなりません。そのためには日本をどうやって消化し、アメリカをどうやって消化するのかということが問題です。これを消化しなければならないのが、今後の統一教会が背負った使命であるということを知らなければなりません。(八五―三四一)

 南北韓を統一するためには南韓をもってしてはできないので、この世界中を探し歩きました。アメリカを動かし、日本を動かし、中共を動かし、共産主義を防御することのできる体制をつくって、名実共に世の中が公認することのできる現実的な生きた基台をもって現れました。それでもここに拍子を合わせることのできない民族になるなら滅びるのです。(一六二―三〇五)

 金日成自体よりも、国際共産党の背後の計画と連結された金日成の基盤を破壊するためには、ソ連・中共に対処することのできる韓国の基盤がなければなりません。そうでなければ南北統一は不可能です。私はそう見ているのです。それで日本共産党を取り除く運動をしてきたのです。皆さんは知らないでしょうが、私は十三年前から血のにじむような闘争を展開してきたのです。(一九八一・四・二六)

 今まで日本を動かすために努力をし、アメリカの朝野において新しい文明圏を形成することのできる雰囲気を形成するために力を注いできました。韓国は韓国それ自体では今後生き残ることができないということを、皆さんははっきりと知らなければなりません。三千四百万が団結して北韓・共産党の金日成を打倒したとしても、その後に残る中共とソ連をどう消化し克服することができますか。克服できないというのです。

 今日共産主義は神様の代わりに悪魔の宗教形態の背景を中心として登場したために、神様の宗教形態の背景を中心とした統一文化圏・世界国家を形成する基盤のもとに、この問題を克服させずには世界の希望はないのです。(七九―七六)

 国際情勢から見るとき、韓国のあるこの韓半島は地政学的な立場から中共もこれを必要とし、ソ連も必要とし、日本も必要とし、アメリカも必要としています。みなが必要とするのです。互いにのみ込んでしまいたいのです。それからまた神様もこれを必要としています。神様が負けると思いますか。サタンどもはこぶしを使って強制的にやろうとしますが、私は違います。私は食べさせ、着させ、恵んでやって統一しようというのです。(一六六―二五八)

 日本を動かし、アメリカ政府を動かし、中共にブレーキをかけ、ソ連にブレーキをかけて南北統一をするのです。今中共の背後にドイツなどのヨーロッパ組織を通じて工作をしているのです。大韓民国がしようとするでしょうか。大使館がしますか。十余年の間私に反対し、ドイツに入れないよう共産党と手を結んで工作をしたのです。しかし、私を防ぐことはできなかったのです。(一九八七・八・三〇)

 韓国を生かすためには韓国だけではできないのです。韓国は世界を代表した韓国であるがゆえに日本、アメリカがこれに加担しなければならず、中共まで連合させて七千マイルにもなる中共との国境周辺を包囲しているソ連の包囲網を破って終わらなければなりません。現代の科学技術に通じ得るあらゆる基盤を中心として中共を急進的に発展させ、技術水準を標準化させる時代になっているのです。

 私は何から何まですべて公開するつもりです。中共自体が私の言葉を聞くようにさえなれば、間違いなく現代文明圏において三十年の歴史は飛躍、発展することができるのです。中共がこのことを知るようになれば、嫌でも行わずにはいられないのです。摂理的に見るとき、共産圏において北韓がアダムの位置、中共がエバの位置、ソ連が天使長の位置にいますが、ソ連が中共を失えば天使長がエバを失ってしまうのです。中共がエバなのですが、私がそれを動かせば、アジアに着陸基地が生まれることになるのです。(一九八六・一・二一)