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四 真の父母宣布

   

1 真の父母宣布の目的

 真の父母宣布とは何でしょうか? 皆さんが真の父母のようになって、御父母様がいなくても皆さんが父母になることができる世代を残すために発表したのです。ですから、真の父母というこの言葉は、すべての物事の完成ということなのです。神様を完成させることができるのです。そのようなことを言うと既成教会の信徒たちは、「神様を完成させるって?」と言うのです。神様は、絶対的な方であり、その方には何にも必要ないというのです。それは、違うのです。

 真の父母を宣布する目的とは何でしょうか? 「皆さんが世界に出ていって父母よりももっと世界のために生き、もっと重い十字架を負い、蜂の群れのように飛んでいくようになるとき、世界はたちまちのうちに神様の国になるのだ」ということが、父母として宣布する内容になるのです。「わあ、レバレンド・ムーンに絶対服従しろ!」と言う、そのようなことではないのです。(一九九〇・五・二七、ベルベディア修練所)

   

2 真の父母宣布の意義とその結果

 私たちは、四十年間そのように反対していた既成教会を生かすために、統一教会本部のために使ったお金よりも多くのお金を使いました。アメリカも私の怨讐の業をしましたが、アメリカを生かすために一年に数十億、数百億のお金を投入しました。今回、ソ連に行っても、私は負債を一つも負いませんでした。与えようと、行ったのです。神様の代わりに。お金もうけのためのものではありません。何のために? 真実、「ために生きる」愛をもって行ったのです。ゴルバチョフが私に会って、私の手を握りながら、自分も知らずに頭を下げなければなりません。天運を追って、神様の代わりに真実なる愛の心をもって彼の手を握るために、億万世を経て追い出された者、親不孝者、放蕩息子、戻ってくることのできない者、川辺に行って泣いている者を探し求めてきたのと同じ立場で彼に会ったので、彼の心が頭を下げなければなりません。

 この地上に真の父母、真に満ちた男、真に満ちた息子が現れるならば、その真に満ちた父母は何をするのでしょうか? 歴史始まって以来、神様より人類のために生き、神様までも解放するというのです。この伝統を受けるならば国が生き、世界が消化されて、その懐に抱かれようとする万国統一の平和の要所が、ここに宿っていると知らせるのです。神様万歳、真の御父母様万歳と言うとき、クリスチャンたちがたくさん来ました。そこには牧師たちもたくさん来たし、長老たちもたくさん来たのですが、みな帰りつつ、「やあ、どういうわけだ。鬼神にだまされたのだな。きのうまで異端だと言っていたのに、真の父母万歳、再臨主、王権万歳と言うとは、これは何だ?」と言ったのです。我知らず手を挙げたのであって、誰かが手を挙げるようにしたのではありません。しなければ自分の先祖たちが霊界でそのままにしておかないのです。

 それで、今回、真の父母歓迎大会を宣布したのは、歴史の開始の根源を正しく立てなければならない天倫の大道の原則と、堕落によってもたらされた神様の恨みと人類の恨みを残したすべての歴史的な垣を、みな平定してしまったのです。文総裁には垣が多くありました。打ち殺そうとしていた人たちが全部歓迎しました。アメリカが私を歓迎しなければならないし、ソ連が歓迎しなければならないし、私たちの韓国が歓迎しなければなりません。私の父母が歓迎したいのですが、霊界にみな行ってしまいました。(一九九〇・五・二四、漢南洞公館)

 今や先生が蕩減条件をみな乗り越えて、還故郷して、真の父母を宣布するのです。真の父母を宣布するのですが、統一グループを通じて宣布し、関係のある人を中心として宣布するのです。統一教会には、既に宣布されたのですね? ここに関係のある統一グループに宣布したのです。このカイン、アベルが一つにならなければなりません。これに乗って国に宣布するのです。国に宣布するならば、カイン、アベル、反対していたものが一つになるのです。

 ですから、霊界に通ずる人たちは、四月三十日(一九九〇年)が、この世が終わる日だと、みな啓示を受けていました。それは何でしょうか? この世は悪なる父母によって始まったので、悪なる父母のすべての因縁が全部屈伏し、真の父母の出発する新しい世界になったのです。相撲の土俵でチャンピオンと挑戦者が戦うとき、倒れる直前まではチャンピオンがチャンピオンです。けれどもチャンピオンだった人も、倒れたのちには穴の中に入るのです。正にそのようになるのです。

 ですから、真の父母を宣布することによって、どのようなことが起こるのでしょうか? 霊界の善なる霊、神様を中心として、ために生きてきたすべての善なる霊と、サタンを中心として働いている悪なる霊が分かれるのです。この時を知らなければなりません。真の父母を宣布することによって、血統的父母はみな終わりを見るのです。真の父母がサタン世界と戦って上がってきて、民主世界、共産世界が倒れる段階に、勝利的条件をもって入ってきて宣布することにより、サタン世界は終わったというのです。(一九九〇・五・二五、漢南洞公館)

 本当に真の父母宣布が終わったというときは、悪魔の邪悪なものはみな消え去らなければならず、また、真の父母を発表することによって統一が始まるのです。(一九九〇・五・六、本部教会。一九九〇・五・二五、漢南洞公館)

 全国的に真の御父母様歓迎大会が終わってから、新しい時代へ近づきました。霊界に通ずる人たちは、この世が終わり、新しい世界へ行くということを、みな啓示で受けました。ですから、皆さんに霊界が再臨します。旧約時代、新約時代、成約時代と、このように昔は主流宗教を通じて、宗教を信じて善なる名前を残し善なる霊界に行っている霊たちが、神様のみ旨に従って地上の摂理を手伝ってきました。そこを通じなければ地上と関係を結ぶ道が今まではありませんでした。

 しかし、真の御父母様がこの地に出てきて、個人、家庭、民族、国家、世界的伝統を全部戦いの中で勝利して越えてきたので、宗教圏解脱が始まりました。真の父母時代には、宗教はありません。世界的な勝利の版図をもったので、アダム・エバ自体が堕落せず、真の父母になったならば宗教は必要ありません。彼ら自体を中心として永遠に天と一体になって、一体理想を中心として、先祖たちがいつでも地上に生きる自分の後孫と連結するようになっていました。(一九九〇・五・二四、漢南洞公館)

 それで、今回真の父母を宣布したのです。真の父母を宣布したので大韓民国は滅びません。ソ連をはじめとしてすべての国、全世界が、みなそうなのです。

 もし、エデンの園に真の父母がおられたならば、そこには悪魔もいなかったはずです。皆さんの先祖たちは先に行って、天使長の位置にいるので、今日、統一教会の皆さんの後ろに来ているのです。(一九九〇・六・二六、光州教会)

3 真の父母の威力

 すべての高次元の宗教には、再臨思想がみなあります。それは何でしょうか? 再臨の目的とは何でしょうか? 真の父母です。再臨主が真の父母なのです。メシヤは、真の父母を意味します。歴史の終着地なのです。また、孤児のようであり、国のない彷徨するすべての群れがここに来てこそ、一つの世界、一つの家になるというのです。真の父母がいるその世界には、悪魔がいません。そうでしょう? 悪魔はいません。それが原理観なのです。真の父母が現れるようになるならば、サタンは自然に消え去っていくのです。(一九九〇・五・二七、ベルベディア修練所)

 ですから、神様と真の父母さえはっきりと分かるならば、みな解放されるという話です。生き返るというのです。ですから皆さんは、神様と真の父母を見せてあげなければなりません。皆さんが神様と真の父母を見せてあげる証拠の実体にさえなるならば、解放が始まるのです。ですから、その人にすがるならば、真の父母にすがり、その人にすがるならば、神様にすがることになるのです。本心を知っているので直ちにそうするというのです。きょう、私がなぜこのような話をするのかといえば、この日が、そのような転換期を越える一つの宣布の日であるので話すのです。(一九八四・四・一、アメリカ)

 それでは、本来の神様の創造理想とは何でしょうか? 真の父母の名前を通じて、天の王国と地上王国を成すのです。真の父母の名前をもたずしては、地上天国と天上天国は生じません。今日、クリスチャンたちに、「イエス様は神様の愛する長子であり、息子であるにもかかわらず、なぜ天国に行かず、楽園に行っているのですか?」と聞いてみるならば、返答できないのです。天上天国と地上天国は、真の父母の完成と愛の基盤を通じてのみ成されるというのです。霊界に行って王国を統一するのが真の父母の使命であって、他の人の使命ではないのです。それで、イエス様は真の父母になれなかったので、楽園に行っているのです。

 今日、蕩減復帰が分からないので人類歴史が解けないのです。歴史を通じて見るならば、必ず因果原則によって悪なる者は滅びるようになっているのです。ところがなぜそうなのかが分からなかったのです。

 また、理想がなぜ成されないのでしょうか? 理想である神様の愛が現れなければならないのに、神様の愛がどこから現れるのか知らなかったのです。学者の頭から現れることはできません。それは、本然の父母の骨髄から現れるのです。ですから、人類世界で真の父母の役事が起こったということは、天国の起源がこの地上に連結され得る一つの基盤が設定されたというのです。真の父母を通じずには、天国は現れることができません。

 真の父母は、どのようにしなければならないのでしょうか? 責任分担、全体責任分担を完成した位置で心情圏を、間接主管圏と直接主管圏の心情圏を一元化させなければなりません。天国化させることのできる、天上世界や地上世界を一元化させることのできる基盤ができなければ、天国は現れてこないようになっています。それが創造理想なのです。先生の話ではないのです。(一九八六・一〇・九、漢南洞公館)

4 真の父母と真の子女

 それでは皆さんは、真の父母の本当の息子、娘なのですか? (はい)。子女とは何ですか? スーパーチャンピオン、真の父母と真の子女とは、何を中心として言うのですか? (真の愛)。真の愛よりも真の血統です。もちろん真の愛を通じて因縁づけられるのですが、成されるのは真の血統を通じて連結されたというのです。

 ですから、真の血統を通じて連結されたものは、父、母に似るのです。それで皆さんは、先生に似ましたか?皆さんの目は青いし、私は真っ黒だし、髪の毛も違うではありませんか。髪の毛が全部、白いではありませんか? 私は東洋人であり、顔が平べったいです。

 似るにおいては、一番骨子だけ似ます。骨子だけ似るのですが、何が似るのかといえば、サタンに勝つことと神様を絶対に愛することだけ似ます。それだけ似るというのです。そうして、サタンを主管してコントロールするというのです。(一九八七・一一・八、本部教会)

 それゆえにこの真の父母を中心として、真の父母を完全に皆さんが相続を受けることができ、真の父母を皆さんの父母として侍ることができ、真の父母の解怨を皆さんの解怨として感ずることができる、そういう位置に立たなければ、天の祝福、相続という名詞を受けることができないというのです。(一九六二・一〇・七、前本部教会)

 それで、統一教会の人々は、誰と一つになっていますか? 真の父母は、誰と一つになっていますか? (神様!)。ですから、皆さんが生きる道は、どうということはないのです。真の父母にしっかりとつながらなければなりません。李博士であれ尹博士であれ、自分が知っている大木の根本は通じません。自分が過ぎてきたその過去は、みなむなしいものなのです。

 過去の根を切り捨て、接ぎ木し、芽と大木の根本と枝を切り捨て、新芽も切り捨て、今まであったものを全部切り捨て、新しい歴史の父母から新しい伝統を受け継いで、新しい統一教会の文化的背景を中心とした後継者にならなければならないのです。(一九八七・六・一四、本部教会)

 皆さんが先生をいかばかり愛さなければならないのでしょうか? 根本問題に戻っていくのです。サタン世界の愛の痕跡がある、その愛が染まった位置で愛してはいけません。それ以上でなければなりません。それはどういうことでしょうか? 皆さんがサタン世界で生まれた父、母、妻子、その誰よりももっと愛さなければなりません。それで聖書では、「わたしよりも父または母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりもむすこや娘を愛する者は、わたしにふさわしくない」と語ったのです。そのような結論を下したのです。そう語り、そのあとには、「自分の十字架をとってわたしに従ってこない者はわたしにふさわしくない」と語ったのです。十字架を負わなければならないと語りました。反対に引っ張っていく力を押して越えていこうとするので、十字架なのですね。ここで悲痛な涙を流さなければなりません。(一九八八・六・一、本部教会)