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三.故郷復帰のための我々の姿勢

1 還故郷の時代を迎えた我々

 我々は神側の立場で故郷を訪ねなければなりません。故郷を探し立てなければならないのです。先生が国家と世界復帰の勝利的な基盤をつくったので、これからは皆さんが故郷を訪ねていかなければならないのです。

 なぜ、故郷を訪ねていかなければならないのでしょうか。カイン圏を世界的に蕩減復帰できる基盤ができたからです。カイン圏の世界的な蕩減復帰の基盤ができていなかった時は、個人が故郷に行く道はなかったのです。個人が故郷に帰るためには、サタン世界の復帰が成されなければならないのです。一人では帰ることができません。

 サタン世界の個人、家庭、氏族、民族、国家、世界を克服することができる条件を備えなければ故郷に帰ることができません。それは堕落したアダムによって、すべて失ったからです。アダムが堕落することによって個人、氏族、民族、国家、世界を失ったのです。アダム一人が失敗したものが、世界的な失敗という結果をもたらしたのです。

 蕩減復帰の路程においてメシヤは世界的な蕩減基準を越えた基盤の上で、サタン堕落圏以上から出発するのであって、アダムが堕落した以下から出発するようになっていないのです。ですから、今まではアダムの堕落圏によって故郷に帰る道がふさがっていたのです。聖書に見られるように、アダムが堕落によってエデンの園を出て行くことになり、神様は炎の剣とケルビムで道をふさぎました。このように、アダムの堕落により人間は故郷に帰る道がふさがったのです。ですから、故郷に帰るためにはアダムを代身した方がきて、個人から家庭、氏族、民族、国家、世界史的な蕩減条件を設定しなければなりません。そうせずには帰れないのです。

 アダムは堕落した愛を中心として落ち、すべてを失いました。ですからこの時代においては祝福を受ける家庭が、神様のみ旨を中心として真の父母の因縁をもって次第に蕩減復帰をしていかなければならないのです。

 皆さんは、堕落世界の家庭が出発したアダム、エバのような位置にいないことをはっきりと知らなければなりません。アダムの堕落は長成期完成級でしたが、今、復帰時代において先生を中心とした完成期完成級を越えることができる段階に入ったのです。このような位置に立っているので、サタン世界の家庭圏が讒訴できる、いかなる内容もない位置へ抜け出したことを知らなければなりません。皆さんは家族を率いて真の父母を迎え、家庭に帰っていくのです。それは、イスラエル民族が二世を中心として還故郷したのと同様です。その家庭に帰っていく基準というのが、堕落したアダムの長成期完成級ではなく、完成期完成級の基準を条件的な立場に探して入っていくのです。実体ではないことを知らなければなりません。したがって、実体を復帰するために、我々にはまだ、南北に分断されている国を一つにしなければならない道が残っているのです。

 それでは、南韓において皆さんが故郷を中心として精誠を尽くして血と汗と涙までも乾いてしまうほど犠牲になる時、サタン世界は自動的に後退するようになるのです。今までよりも三倍以上の精誠を尽くすようになる時、霊界に行った皆さんの善なる先祖たちが救援の恵沢を受けられるのです。(一九八八・六・一)

 皆さんは故郷の山河を訪ねる時も、真の父母様を栄光の座に迎えることができるよう努力を続ける必要があると言えます。父母様を慕い、流す涙がまず先にあり、血が流れる生きた供え物の道を行き、永遠なる世界に行ってまでも、慕わしい思いの中で侍りながら生活できるよう自分をつくっていかなければなりません。

 これからの信仰は、侍ることを通して救いを受けることを知らなければなりません。皆さんの生活はサタンからも公認を受けることができなければなりません。

 還故郷時代! これは歴史時代において、初めての事件です。還故郷時代を迎え、すべての宗教人たちは故郷に帰るという事態が起こるのです。(一九八八・六・一)

 韓国統一教会の家庭が還故郷し、故郷復帰に入りました。これは世界統一教会の全体が還故郷の道を行くようになったためです。それは韓国教会において、まず始められたのです。もし、皆さんが故郷復帰に失敗するなら、世界の統一家の食口たちに還故郷のことを、どう語ったらいいのでしょうか。ですから、皆さんは故郷復帰にすべての精誠を注ぎ、必ず成功する伝統を立てなければなりません。

 摂理的に見る時、還故郷の時代は必然的であり、宿命的なのです。また、世界の統一家を代表して、初めて韓国教会が還故郷の時代を出発したという責任を忘れてはいけないのです。

 故郷復帰は真の愛をもって、汗と涙と血で犠牲になりながら成就しなければなりません。真の愛の力は神様の本質と相通ずるので、復帰過程において壁を越えられるのは愛だけであることを忘れてはいけません。

 故郷に帰る時は喜んで帰らなければなりません。そのような中で、神様と真の父母を代身する立場であることを一時も忘れてはいけません。皆さんは故郷に行って、真の愛の種を蒔いて根を張らなければなりません。神様の縦的な愛の軸に横的な愛の軸を一致させなければならないのです。還故郷によって、今まで積み上げた業績を見て、審判を受けるようになるでしょう。勝敗の基準が分かれるようになりました。皆さん全員が勝者の覇権を握ることができるよう願います。神様が勝利し、真の父母が勝利した基盤を皆さんのものとしてつくってください。

 神様は被造世界を創造されましたが、今までサタンが所有していたので、万物世界に対する思いと子女に対する思いの中で涙を流してきました。そのことを考えてくれるよう願います。故郷を探してあげ、祖国を探してあげなければなりません。そうして、苦痛から解放してあげようというのです。(一九八八・六・一)

2 故郷復帰のための我々の姿勢

 もう皆さんは、なぜ故郷に帰らなければならないかがよく分かったと思います。故郷にどのような姿で帰るのかが問題なのです。父母様に対して、父母様の家庭と統一教会に対して、そのような伝統的なことをどうやって蕩減していくのかというのです。

 もう統一教会を反対していた時代は過ぎ去りました。皆さんの家族が怨讐視していた時代は過ぎ去ったというのです。国を越えて、金日成とソ連の共産主義者以外は誰も怨讐でない時代になったのです。我々に怨讐はないのです。

 統一教会がこれから三年過ぎさえすれば、反対する人は道端で激しく打たれる時代がやってくるでしょう。これからは、統一教会に反対する時代が過ぎ、歓迎する時代がくるというのです。皆さんが故郷に帰れば、昔は家を滅ぼす子だと言って追い出していた父母たちも、歓迎して出てくるでしょう。皆さんが神様の名により、勝利の盾を掲げて還故郷する時、故郷のすべての人々が歓迎に出てくるでしょう。

 これからは、大韓民国が皆さんを歓迎できる摂理圏に入ったことを知らなければなりません。父母様を慕い、父母様を愛し、父母様のみ旨を解怨成事する歴史を担う自分自身であることを知り、血と汗と涙を捧げて、本然の基準に到達できなければなりません。そのような自信をもって故郷に帰らなければなりません。そうして、すべての場所に花を咲かせなければなりません。

 皆さんは知らなかったでしょうが、先生が神様の心情を知って、今まで歩いてきた道を代身する者にならなければならないのです。皆さんは神様と父母様を代身して故郷に帰り、神様の心情圏を植え付けなければなりません。これからは蕩減ではなく、心情圏を植えるのです。過去には蕩減して上がっていきましたが、これからは真の愛を植えなければならない時代なのです。

 皆さんは誰よりも先に故郷を訪ねることができる恵沢を受けたことに対して、深く感謝しなければなりません。皆さんは一段階高い位置に上がらなくてはならないでしょう。南北統一を成して故郷に帰らなければなりません。(一九八六・六・一)

 故郷に戻れば、神様の愛を受け継いだ堕落しないアダムとエバとして、私の心を縦的な愛を代表する立場に立てなければなりません。その次は横的な愛の軸に合わせて、九〇度を備えた基準をもたなければなりません。(一九八八・六・一)

 聖書のヨブの話からも分かるように、先生もまた、どのような苦難がやってきても一度も恨まず、復帰の道を歩いてきたのです。神様に対するヨブの信仰は不変でしたし、不動でした。我々もそのような絶対信仰で故郷復帰に立ち上がらなければなりません。(一九八八・六・一)

 過去の蕩減路程を歩んできたすべての内情を話す時、故郷のすべての人と故郷の山河が先生の訪問を待って、歓迎するために精誠を注ぎ、準備するようにしなければなりません。神様の郷里にしなければなりません。そのような責任を背負って故郷に行くという事実を一時も忘れてはいけません。

 皆さんは皆さんの一族に会って涙を流すことで、蕩減条件を立てなければなりません。自分の息子、娘たちや妻子が恋しくて涙を流すのではなく、故郷の一族との出会いに涙を流すのです。

 故郷に帰れば三年ではなく、六カ月ほど精誠を尽くせば、すぐに復帰できるでしょう。自分の息子、娘に対するよりも、もっと愛を注がなければならないのです。皆さんが行く道は世界を代表する道でもあるので、先生の祝福圏に進入できる契機となるでしょう。皆さんの故郷に、神様の縦的な愛の軸が縦の氏族的な軸と連結できるようにしなければなりません。

 堕落することによって、祝福が長子権から次子権に変わったのですが、次子が長子権を受け継いだので、神様の前に上がって行くことにおいて限界があったのです。ですから、これからは本然の長子権を復帰しなければなりません。長子権復帰が今回の故郷復帰で成されなければならないのです。

 今までは次子が一線に出て、サタンと闘って長子権を屈服し、帰ってきましたが、それによって次子は長子権の基準まで上がらなければならないという二重の基準を立てなければならなかったのです。ところが、これからは本然の長子権復帰になるべき時代に入ったのです。そのような歴史的な基準が、今回の故郷復帰過程で成されなければならないのです。(一九八八・六・一)

 故郷に行けば一族を呼んで宴会を開き、その場で今まで皆さんがどのようなことをしてきたのかを明らかにして、彼らを神様の前に連れ戻さなければならないのです。個人的な立場から神様のみ旨を中心としてどのように闘い、家庭的な立場でどのように闘ってきたのかを証さなければならないのです。

 先生は個人、家庭、氏族、民族、国家、世界の版図を越えるために受難の蕩減路程を経て、勝利的基盤を備えて、その基盤を皆さんに相続してあげようと思います。それで、皆さんは故郷に帰って、皆さんの父母、兄弟を中心として故郷復帰をしなさいというのです。

 故郷復帰の道は皆さんにとって、未来の道になるでしょう。その道は皆さんの個人、家庭、氏族が行かなければならない道になるでしょう。次は大韓民国の国民すべてが行かなければならない道なのです。強いては、世界人類がすべて行かなければならない道なのです。皆さんはサタンと闘って、勝利するための苦難の道を行かなくても、先生が勝利した基盤を相続できる恵沢を受けたのです。それが故郷復帰の道だということを知らなければなりません。

 サタンとの戦いで個人、家庭、氏族、民族、国家、世界的に勝ち取った先生の勝利的基盤を相続し、先生の代身者として進んで戦うならば、皆さんの勝利的基盤ができるようになっています。そのためには、縦的基準と横的基準の前に絶対服従の信仰で進んで行かなければなりません。

 皆さんは神様を愛さなければなりません。そのためには真の父母を愛さなければなりません。愛の強度が、この世の父母の前に捧げる孝子、孝女の道理を越えなければならないのです。氏族の中心となった真の父母の前に、横的な立場で孝子、孝女の道理を尽くしなさいと言うのです。

 国を中心としても、歴史始まって以来のどのような忠臣よりも、さらに忠誠を捧げなければなりません。その基準を越えられなければ、神様の国において、皆さんが立つことができる場所がないことを知らなければなりません。サタン世界の忠臣たちから讒訴を受けてはいけないのです。

 皆さんの故郷で今まで反対していた、その気運と時代は過ぎ去り、皆さんを歓迎できる基台が形成されたことを信じて、できる限りみ言を伝えることに励んでくれることを願います。サタンの運勢がなくなり、解放圏の運勢が頂点にまで高まる時点であることを知り、故郷復帰に総力を尽くしてください。

 サタン圏での皆さんの努力によって、上がるようになるはずです。皆さんの先祖が堕落したその基準に立ったとしても、父母様がこの世界基準を蕩減したので、相対基準さえ造成すれば、皆さんの一族があっという間に復帰されていくのです。

 皆さんを中心として家庭が立つことができ、氏族が立つことができ、民族が立ち、国家的基準が対等な立場で立つことのできる時代に入ったのです。その基準に該当する蕩減条件の基準に立てば、これが全体に連結され、その世界ではサタンの堕落した愛で蒔かれた根拠になる土台が壊れるのです。このような時代になったので、皆さんが故郷に帰って故郷復帰をしなければならないのです。(一九八八・六・一)

 故郷は皆さんのおじいさん、おばあさんが汗を流してつくり上げてきた生活の基盤です。ですから皆さんが故郷に帰ったなら、皆さんの先祖たちよりも、さらに故郷を愛さなければなりません。皆さんの父母がシャベルや鎌を握り、土を耕したのと同じように、皆さんも土を愛し、そこに汗を流すのです。田畑を耕し、家畜も飼い、木も植えながら、故郷のどのような人物よりも、もっと故郷を愛していきなさい。それでこそ、皆さんの先祖たちが再臨できるのです。言い換えれば、その町で暮らして死んでいった霊人たちが地上を訪ねて、因縁を結んで再臨させて、故郷を神様の前に復帰しようというのです。皆さんは故郷に行き、家庭を再構成して、共産世界を解怨できる祭物として、共産党まで解放しなければならないという気持ちをもたなければなりません。サタンもこれからは、我々がこの峠さえ越えれば振り返って逃げるようになっています。蕩減復帰はこのように難しく、大変なことなのです。(一九八八・四・七)

 皆さんは故郷復帰の責任を果たさなければなりません。そうして、父母様の故郷も復帰し、祖国を立てることができるようにしなければなりません。皆さんの故郷復帰によって北韓を解放し、南北統一が成されるでしょう。故郷復帰は真の愛によってのみ可能なのであり、その真の愛は神様の縦的な愛と皆さんの横的な愛が一致することで、生まれることを忘れないでください。

 皆さんは、ヤコブが二十一間の苦労の中で得たすべての財物をもって故郷に帰っていったのと同様に、汗と涙と血を捧げても故郷に真の愛の根を下ろさなければなりません。

 きょう、六月一日を期して、すべて故郷へ帰ることをもう一度指示します。故郷へ帰って、汗は地のために、涙は氏族のために、血は天のために流さなければならないのです。そのすべてのことが結局は皆さん自身のためのものであり、神様の愛と恩恵を受けるためのものにもなります。

 また、父母様が成してこられた勝利的伝統を相続するためのものでもあります。どうか、故郷復帰の責任を完遂する皆さんになってください。そのことを願いながら話を終わりたいと思います。(一九八八・六・一)

3 韓国を万民の故郷の地に

 私が帰ってくる時に感じたことは、「父よ! あなたが愛する韓国が本当に万民の故郷の地となることができますか」ということでした。この国は万民の故郷の地であることはもちろん、父の故郷の地でなければなりません。神様が愛するこの国の民は忠孝を尽くす息子、娘として、ここ韓国をして、世界を救うことのできる理念と連結できる足場をつくるようにしなければならないというのです。

 三千万の民族が苦しめられ、追われながら、荒廃した山野に吹く冷たい風を受けるのもすてきなことですが、そこに恐ろしい猛獣まで走っていく境地にある韓国を神様の故郷の地としてつくり、万民の祖国としてつくらなければならないということを考えてみなければなりません。

 我々が国のために戦うだけでは、神様の国の責任者になることはできません。その国は世界が行く道に責任をもつことができ、神様の心を慰めて、世界のために神様が行かれるいばらの道を、平坦な道に整えることができる民族的責任をもった国でなければならないのです。(一五―二二三)

 神様が願う祖国はどこでしょうか。人類の本郷がどこにありますか。真の父母様が生まれた故郷が歴史的であり、宇宙的であり、世界的な本郷の地になるのです。先祖の思想と伝統を受け継がなければなりません。そうでなければ、腹違いの子としての扱いを受けます。しかし、このような相続を通して、養子を経て、次第に息子、娘の立場まで入るようになります。このような大問題がこの国で成されなければならないのです。

 先生は内外をひっくり返さなければなりません。韓国の民は選民にならなければなりません。韓国が本郷であり、祖国ならば、すべての世界的な文明が韓国で起こらなければならないのです。我々が韓国を本郷にするためには今日、忠誠、精誠、愛、犠牲の供え物になることを覚悟しなければなりません。そうでなければ、韓国は本郷としての資格を失うことになります。よい物をつくるためには実践が必要です。血と汗と涙を流しながらも成し遂げなければならないのです。

 大韓民国が統一教会の文先生を追い出しても、このみ旨の道は青史に輝くでしょう。韓国がどれほど迫害したとしても、この民族は神様が選んだ白衣民族なので、我々はこの民族が住んでいる韓国を愛さなければなりません。それで、先生は血を吐きながらもみ旨を成してきたのであり、獄中でも祈ってきました。神様が願う人になるためには、神様の心情をくみ取ることができる人でなければなりません。これから我々は、民族的使命を兼ねたみ旨の道において聖なる供え物にならなければならないのです。(一五―二八四)