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1 共産党の世界浸透戦略
先生は、共産党に対してあまりにもよく知っています。共産党は、理念と思想的な体系によって世界制覇を夢見ているのです。(三九―六三)
皆さんは共産主義を完全に分からなければなりません。今、労働組合とか国務省とかどこでも、既に浸透されているのです。すべて共産党が浸透していると見なければならないのです。
皆さんはそれを知らなくてはなりません。中国を中心として見れば、中国には既に一九二二年、二三年度に共産党が浸透しました。ソ連が共産化した一九一七年以後、六年のうちに浸透したのです。何のことか分かりますか。
このような戦略を取ってきたことを見れば、共産世界の歴史が既に六十年、七十年になったこの時において、アメリカだとか世界全域に共産党が既にすべて浸透しているというのです。そのために、今ヨーロッパがそうであり、南米がそうであり、アフリカ全体が既に共産圏の影響を受けて、資本主義社会で闘争の旗を掲げて戦うのです。戦うのは、ソ連ではありません。その国の国民を通して、その国の組織基盤を利用して、各国で戦いが起こりました。これを知らなければならないのです。
このようなことを考える時、今私が調査して分かっているところでは、アメリカ内の教会まですべて入り込んでいます。教会にまですべて入り込んで、教会の長老、執事を中心として共産主義秘密会議をしています。みんなこのようにしているのです。このような局面になっていることを知らなければなりません。(九二―一二六)
今、世界的に共産党の脅威を受けない国がありません。我々の韓国もそうです。北韓共産党がいつかは撃って攻めてくると思うでしょう? アメリカも同様です。このたび、私がアメリカの上院議員、下院議員のいろいろな人に会ってきましたが、やはり彼らの大半が共産党の脅威を感じています。「あなた方は現在この国の富力をもって、将来共産党を食い止める自信があるのですか」と聞けば、「自信がないです」と答えるのです。すべてやられているのです。英国に行ってみたのですが、英国も同様です。今、新・旧教の戦いが起こっているのも、背後で共産党が操作しているのです。ドイツに行ってみても同様です。どの国も共産主義の脅威に襲われていない所がない、そのことこそ、統一的な風潮の時代に入ってきたということです。(五五―二一六)
最近、共産主義者たちはどのような運動をしているかといえば、平和の基地を旗印にして、今でも西欧社会で共産主義と対置して戦うことのできる基盤を弱体化させる運動をしているのです。平和というタイトルをもって弱小国家に全部浸透しています。(一九八三・六・一)
共産党は中流以下の人たちを誘引して、中流以上の人たちと対決するように衝動を与えています。
中流層にある人たちは、自分たちがどのような使命を成さなければならないかに対する観念が希薄であり、また、どの階層に対して「このようにしなければならない」という使命感ももっていません。
2 キリスト教に浸透して入ってくる共産主義
共産主義は民主世界、キリスト教文化圏を中心とするキリスト教家庭制度を破綻させようと、ありとあらゆる工作をするのです。若年層に麻薬を服用させ、浮気心を抱かせ、父母に抗議するようにし、家庭が全部分かれるようにしています。男女の問題を中心として、すべてぶっ壊そうとするのです。これだけを壊してしまえばキリスト教文化圏は滅びます。その矢に当たって、こっぱみじんに壊れるものが増えています。我々は、これを防止しなければなりません。(六五―四〇)
イエス様はどういう人ですか。イエス様を信じるのですが、どういう人かと聞けば「イエス様は救世主である」と言います。しかし、救世主という名前はクリスチャンたちがイエス様につけたものであり、万民がつけたのではないのです。理論的に万民が救世主であると言うことのできる内容があるのかと言えばないのです。漠然としています。ですから、共産主義の歴史観の前に完全に惨敗し、手を上げてしまうのです。
歴史的なキリスト教思想を再建しなくてはなりません。再建するにおいては今までのキリスト教をもってしてはできません。立体的内容を備えた次元の高い、神の人格を中心とした生活的な心情圏に突入して、永遠に変わらない、そのような人格を完成しなくてはいけないのです。(一六八―一七)
資本主義を指導する文化圏を民主世界であると見て、民主世界の文化圏をキリスト教文化圏であると見るときに、共産主義が浸透工作するその標準は何でしょうか。
キリスト教文化圏を打破する運動をしてきたのです。このように見るとき、キリスト教に対する共産主義の浸透をどのようにするのかということは、非常に重要な問題でないはずがありません。既にキリスト教に対する浸透工作が現段階で終わっているのではないか、このように思われるのです。
現代の神学的な思潮を見るとき、神様を中心としているはずのすべての研究が「神様はいない」という結論に到達しました。そのような結論を下しました。ですから、共産主義運動家たちが神学校を中心としたキリスト教の伝統的思想の分立作業を必ずするに違いないと、我々は見なければならないでしょう。
大概、キリスト教の信仰観は個人的救援を主としています。個人の救援を目標としているのです。これに反して共産主義者たちは、イエス様が来られたのは個人的救援が目的ではなく、ローマ帝国に対抗して、理想とする新しい革命国家をつくるために来たと主張し始めました。イエス様が語った、「貧しい者に福音を伝えに来た」とか、「富者が天国に入るのはらくだが針の穴を通ることより難しい」という聖書の句節を中心として、いくらでも共産主義者たちが主張することのできる一面もないわけではなく、あるというのです。
さらに、イエス様が最後に十字架につかれる前、「父よ、もしできることでしたらどうか、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの思いのままにではなく、みこころのままになさって下さい」(マタイ二六・39)、また最後に、「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」(同二七・46)と、深刻な祈祷をされた時、神様は何の応答もされませんでした。それで、神様はいないのではないかというのです。神様がいるのではなくて、人が神様をつくったとするのです。
宗教は倫理や道徳的な一面を志向させる社会的責任をもつものにすぎないのではないか、そしてキリスト教が「神様はいる」という絶対的な神を立ててキリスト教体制をつくったのは、結局資本主義者たちが自己の位置と権限を永続させるための一つの方便にすぎなかったとします。それで現在、神学を研究する教授たちの八〇パーセント近くが神を否定しています。
ですから今、個人的信仰、個人的救援を目標としないで、社会的救援を目標として指導しなければならないのがキリスト教の使命ではないかというのです。それで解放神学とか政治神学とかいう名前をつけています。すなわち、神学的な学派系列が今、「神はいない」という方向で社会革命を提示して、新しいユートピア的な国家を模索しようという段階まで来ているのです。
このような状況において、共産主義者たちはキリスト教の方向を発展させなければならないとするのです。キリスト教をそのようにするには、その伝統文化の基盤が家庭と社会なので、家庭と社会をどのように変遷させるかということが問題です。
このような問題を見てみる時、ヒッピー、イッピー運動とか、現実における淪落の問題、麻薬の問題、このようなものはすべて共産主義者たちの世界戦略の一面から現れた事実であることを我々は知らなければならないのです。さらにはフリーセックスとかホモ・セックスとかレズビアン・ムーブメントとか、このようなすべてのものが人間の権利、人間の権威の尊重を破綻させる一つの行動にすぎないのです。
このように見るとき、家庭基盤の破綻、教会基盤の破綻形態が既に極に達していて、誰も、どのような神学者も、国家のどのような力をもっても防御できない段階になったと見るのです。
それでキリスト教思想の主流はどうなったのでしょうか。個人主義思想に没落してしまいました。アメリカならばアメリカ自体が信仰と関係がなくなりました。キリスト教思想は個人主義になることはできないというのです。個人主義が拡大膨張して、世界とか国家とか家庭とか伝統的な歴史的基盤を完全に否定するようになるのです。(一九八三・六・一)
以前に、共産党のある青年が先生に秘密裏に送った手紙の内容が何かといえば、今の共産党の活動基盤についてと、キリスト教がどれほど脅威を受けているかについてでした。彼らの責任者が、献金のためのお金を与えて「教会に行け」と言うのです。教会で基盤を築けと、莫大な資金を調達するのです。そのような内容の手紙を私が直接受け取りました。これは世界的に暴露しなければなりません。既成教会の牧師たちが共産党の党員になって踊らされているという事実を、皆さんは知らなければなりません。アメリカで地下活動をする共産党が、教会に行こうと言って伝道をする事実を知らなければなりません。
そのような教会組織を利用して反政府運動をして、反韓国運動を全世界的に広げているのが共産党の活動であることを皆さんは知らなければなりません。そのように背後から操縦されて、既成教会の牧師たちの中には自分でも気づいていませんが、そのような侵略的な三段階計画によって動いている人がいることを、我々は知らなければなりません。
このような現在のアメリカの実情において、皆さんはこのアメリカをどのようにしますか。遠くない将来に共産党の党員たちがユダヤ教とキリスト教を戦わせるでしょう。今、ユダヤ教と既成教会を合わせて統一教会と戦わせていますが、それが終われば、その次にはユダヤ教とキリスト教を戦わせることでしょう。お互いに戦う内容が十分にあります。ユダヤ人たちがレバレンド・ムーンに対して反ユダヤ的であると言いますが、キリスト教と戦いが起こればもっと恐ろしい戦いになることを知らなければなりません。我々はそれを知っているので黙っているのです。(九一―七〇)
皆さん、見てください。今、カトリック教会の神父たちの中に共産党が浸透しているということを知らなければなりません。新教も旧教も同様であるということを知らなければなりません。最近、左翼思想に染まった神父たちが言うことは、イエス様は共産主義者だったというのです。なぜかと言えば、イエス様は貧しい者に福音を伝えたからだというのです。それは当たっています。このように羊の皮を被った 狼 の群れが多いことを知らなければなりません。(九〇―一五四)
共産党とは何ですか。終わりの日にキリスト教を審判するための一つのむちとして理解せよ、というのです。キリスト教は悔い改めなければならないのです。滅びゆくその原因を知って、天のみ意に反していた事実をすべて除去して悔い改め、天の哀れみを願うことのできる立場に立つならば、むちは納められるのです。むちがなくなるのです。(六四―五七)
もし共産党の脅威がある時には、キリスト教は国境を超越して若者たちを動員して、その国を防御できる運動をしなければ、共産世界の脅威をふさぐ道がないと見るのです。それこそ全世界のキリスト教徒たちが合わさって、経済的な面でも、人的次元の面でも、共産主義が侵犯する所には無制限に後援できる運動をしなければならないというのです。それが全世界から共産主義を防ぎ切る最後の道である、と先生は見ています。(六七―一五)
3 アメリカに対する共産主義の浸透
アメリカが今日数多い民族が集まって一つになれたのは、キリスト教思想があったために可能だったのです。一つの国になったのです。しかし、今はそのキリスト教が全部滅んで落ちてしまいました。今からはキリスト教は昔のような時が来るのです。民族だけで糾合する……。
ここアメリカを見てください。アメリカは二つの国が住んでいます。アメリカは二つの国の形態です。州政府があり、中央政府があります。互いに法が違うのです。将来民族的な決裂が起きればどうなりますか。ドイツ人ならばドイツ人、ユダヤ人ならばユダヤ人が一つの州に集まって、その州を中心に、「ああ、中央政府から脱退する」と言ったならどうしますか。これから先そのようなことが起こるのです。
共産党が遠くない将来にそのようにするというのです。「我々が中央政府に、なぜ税金を払わなければならないのか」と言って仕掛けてくるのです。そのようにしたらどうなりますか。大衆が、「ああ、我々も州政府に刃向かおう」と言う時が来るのです。
それが必要ないと言えるでしょうか。共産党がそのようにしないと思いますか。一つの州がそのようにして、二つの州がそのようにして、三つの州がそのようにする日には分かれていくのです。アメリカはばらばらになっていくのです。アメリカに別の国が生じないという保証があるかというのです。アメリカ内に別の国が生じる可能性があるということです。(七三―二九五)
遠くない将来に共産党が上院議員の中に投入されることは間違いないので、彼らを防御できる強力な体制を我々がつくらなければならないのです。(六七―二八七)
アメリカの人種問題を見るとき、黒人たちを中心に魔手が既に伸びていることを私は知っています。共産主義者たちは思想的な面ではアメリカ、民主世界をのみ込んでも余りあると自任しているので平和攻勢に出ているのです。軍事戦略面においては、アメリカを凌駕した国は世界を料理する自信をもって出てくるのです。
その次に彼らは、地下組織を通してアメリカにある家庭を破壊しようとしています。彼らはアメリカを自分たちの食い物だと思っています。それで、彼らは若い青年たちの道徳観念を希薄にして、退廃的な思想を入れるという悪を行っていることを皆さんは知らなければなりません。アメリカが世界から後退することがアメリカを助けることではなく、かえってアメリカをもっと難しい問題の中に陥るようにするという事実を、皆さんは否定できないのです。(五三―七五)
共産党は家庭の破綻を期していきます。また、立派な青年男女をみんな麻薬舞台に掃き入れているのです。キリスト教思想が根を差し込むことのできる個人と家庭の型を自然に壊すのです。このような危機にあると私は考えています。(五三―一八七)
私は共産党についての専門家であり、共産党に対して先頭に立って闘争したので、このような問題を直接調べてみたのです。その結果、アメリカの将来は甚だしく望観できない立場に追い込まれていっていると見るのです。
その時になれば、「さあ、白人たちが何をもってこのような悪さをしたのかと言えば、キリスト教というものを詰め込んで欺瞞した。キリスト教をたたきつぶそう」と言うのです。そうするためには戦略的に、まず心理作戦から始めて、その次には暴力作戦によって、どのようなことでもするのです。キリスト教の家庭において、アメリカの将来の中心となる若い青年たちをすべてだめにしてしまえばよい、麻薬も投入せよ、そのようになっているのです。そのような観点から見るとき、共産主義者たちはこのような戦略を使っているという事実を知らなければなりません。
フリーセックスのような問題もすべて彼らが扇動できるのです。彼らは将来のアメリカを占領するための一つの戦略として、このようなことを扇動する立場で資金をもらい、団体をつくり、これを流行させる悪さをしていると見ることができるのです。(八六―二〇七)
アメリカ内に共産党の地下組織ができていることを知らなければなりません。南米から留学に来た学生たちの中にはソ連から奨学金をもらって入ってきて勉強する共産党の学生たちが多いということを、皆さんは知らなければなりません。アメリカは今、民主世界をみんな失ってしまい、一人で「ああ! 汎米主義だ」と言うのですが、そのような時はみんな過ぎ去ったのです。そのような主義を考えていたなら、フライパンに焼かれるアメリカになるということを考えなさいというのです。今、そのようになっています。(八九―二八四)
今、どうですか。ここアメリカに不法に移住してくる人たちはどのくらいですか。(六〇パーセントです)。六〇パーセントの大概がメキシコ人です。分かりますか。それを中心として共産党が組織する日には、アメリカの中からすべて滅ぶようにするということを知らなければなりません。非常に危険なことです。これから先、メキシコの人口の三分の一に該当する人々がここに入ってくるであろうと私は見ています。
そうなる時にはアメリカは大きく……。共産主義が浸透して、これが左翼系列になっているのでキューバと共に組んで、そこで地下基盤を練って露出し、組織的な活動をしてアングロサクソン民族に対して……。そしてスペイン系の人々を完全に組織するようになれば、黒人とも自動的に一つになるのです。そうなれば白人打倒運動を大々的にするでしょうが、そうなった時にはどうするのですか。既に左翼系にもなっています。
この次にスペイン系の人々が共産主義と一つになるようになれば、黒人と一つになります。そうして二つが合わさって、今まで白人から歴史的に反対されたと言いながらみんな反対運動をするようになれば、南米が反旗を翻すでしょう。そのようになればどうするのですか。カナダに逃亡しますか。どうしますか。そして、アジア系、有色人種もすべて合わさるのです。それで、「お前たちの怨讐は白人だ」と言って、人種戦争を起こす日が遠くないと私は見ます。皆さんの南北戦争は人種戦争に連結されると見ます。そうなればどうしますか。これは、人種戦です。それが残ったのです。そうなる時には大変です。それで、それを防止しなくてはならないという責任を私は感じるのです。
それを誰がしますか。それは共産党だけがコーチできるのです。そのことによって、アジアとアフリカを全部自分の側にいっぺんに追い込むことができるので、戦略的な面からこのような悪いことを遠くない将来にするだろうと見ます。ですから南米が忙しいのです。アジア、アフリカなどが完全にいっぺんにやられるのです。このような危険性が白人たちのこれから先の歴史に残っているということを私は予想しています。(一九七八・三・一五)
この世界の終わりの日に警鐘を鳴らすならば、何の警鐘を鳴らさなけばなりませんか。私が病んで死ぬようになるのは何でもないのです。病にかかって死ぬのは私一人死ぬことですが、共産主義病にかかって死ぬようになれば国が滅びます。今アメリカは共産主義の威脅のもとにあります。全世界がそうです。西欧がそうであり、アジアがそうであり、南米がそうであり、中東もそうであり、現在アメリカもそうではないのかというのです。それで、お手上げでみんな後退しています。アメリカが後退しますか、しませんか。後退しているのです。(九〇―一六八)