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近代史において、文芸復興以降、英国がなぜ祝福を受けたのでしょうか。これに対して、私の見解をしばらく話してみましょう。英国は多くの植民地をつくりました。原理的に見ると、これは他の国を占領したことになるので、間違っています。しかし、外的にはそのようになりましたが、内的にはキリスト教をもっていって植民地国家に植えてあげたのです。つまり、もっと大きなものを与えたのです。これは神様が、外的に世の中をいつまでも英国が支配しなさいということではなく、しばらくの間だけ英国に与えて、その英国を通してキリスト教を世界に伝播させる神様の作戦と見るのです。
皆さん、西欧文明がどうしてイタリア半島を経て英国に来て、実を結びましたか。それは変ではありませんか。島国は大陸を思慕するものなのです。大陸を男性に比喩するなら、島は女性に比喩できます。神様の復帰摂理は、この世の中で新婦理想圏を探し求めるものだと見るのです。すなわち、夫人を探し求めてきたと見るのです。そうしようとすれば、夫人のような立場で、キリスト教を中心とした一つの世界的主権国家が登場しなければなりません。その国がまさに英国なので、英国が祝福を受けることができると見るのです。
英国は、女王が現れればうまくいくといいます。アジアでも、英国の歴史を学んだ人たちがそのような話をしています。皆さん、いいですか。なぜ英国が、第一次世界大戦の時も都監(注:寺でお金や穀物の管理をする官庁)にならなければならず、第二次世界大戦の時も都監にならなければならなかったのでしょうか。母親が堕落させたからです。ですから、この地上に母親的国家が現れて、サタン世界との最後の決戦で責任をもって戦って勝たなければならないのです。そのような国家がまさに英国だと見るのです。
第一次世界大戦の時もドイツが怨讐であり、第二次世界大戦の時もドイツが怨讐であり、第三次世界大戦もドイツが怨讐だというのです。共産主義はマルクス主義であり、ドイツの人間主義なのです。これを皆さんは知らなければなりません。このような危機が近づいてくるので、今、母親が果たすべき使命は、サタンを追い出すことです。そうして初めて、天の国の一つの基盤が準備されると見るのです。
アメリカは英国が生んだ長男と同じです。それゆえ、英国はアメリカと一つにならなければなりません。一つになって引っ張っていかなければならないのです。母親が引っ張って回らなければならないのです。息子が過ちを犯せば、母親が操縦しなければなりません。堕落するとき母親がまず堕落し、その次にカインが罪を決定しました。それゆえ、これを復帰するためには、反対に天の側に立っている母親と息子が一つになって、サタンを屈服させなければならないのです。(五四―一二三)
英国が第一次世界大戦で勝ったのは、英国が勝とうと思ったから勝ったのではありません。英国がもった崇高な思想、すなわち、正義のために戦っているので神様が勝たせてくれるという信仰があったので、勝ったと見るのです。ドイツは自分をもって現れました。自分をもって攻撃したのです。けれども、英国に負けてしまいました。先に打った者が悪です。打った者は滅びるのです。打たれても天を信じ、天さえつかんで打たれようものなら、打った者がどんなに強かったとしても、くじかれていくのです。
第二次世界大戦も同じです。ドイツのヒトラーは、当然勝つだろうと自信をもって現れて先に打ちましたが、英国が勝ったということは、正義が勝つということを見せてくれたのです。神様だけを信じてきた信仰心があったので団結することができ、ドイツを退けることができたということを知らなければなりません。有り難いことは、英国が先に打たなかったということです。そのように公式に一致し得る立場に立ったので、神様が保護せざるを得なかったのです。
ドイツ国民は、今も自分の力によってヨーロッパを制圧できるという自信をもっています。ところが、もっと恐ろしいソ連共産党は、民主世界を自分の餌食と考えて攻撃しています。もし、ソ連がドイツと一つになろうものなら、英国に大きな問題が起こるだろうと見ます。では、英国は今どのような立場にいるのでしょうか。英国が現主権下で、共産党と手を握るというのは不可能です。保守党を中心とした英国国民の気質に共産党は合わないのです。
それゆえ、アメリカが中共と手を握るこのような時局に、神様がいらっしゃるならば、英国という国に対して希望をもたざるを得ないだろうと考えるのです。母親が最後まで戦って勝たなくてはならないという結論的立場から、英国は歴史的に女性国家型の使命をもっているので、今後も残るだろうと見るのです。けれども、英国の主流思想が共産主義の思想になってはなりません。キリスト教思想、すなわち、神様のための思想をもって団結しなければなりません。そうすれば、絶対に滅びません。(五四―一二四)