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1 人類文明発達の循環原理
実を結んだこの大陸の文明はどこで定着するのでしょうか。これがアメリカで定着しなければなりません。アジアを通して中東を経て、あのアフリカまで一周して帰ってこなければならないのです。それゆえ、神様がこのようなアメリカの地を祝福されましたが、もしアメリカが失敗するならば、神様のみ旨を引き継ぐために、神様はアジアに期待なさらざるを得ないという、このような論理が成立するのです。
では、今からどこに行かなければならないのでしょうか。アメリカを溶かし尽くして太平洋を渡ってアジアへと行かなければなりません。アジアへと行かなければならないというのです。そのような神様の摂理の方向という観点で見れば、今のアメリカの政策が、ヨーロッパ第一主義政策というのは間違っているという結論が出るのです。
文化はこのような立場で回るので、大陸から半島、島嶼、さらに大陸ですが、アメリカ大陸を中心として見るとき、島嶼のような立場が日本なので……。どうしてこの世界地図上で日本民族がこのように急進的に発展をしたのかといえば、失敗した英国に相当する立場でアジア的代身国家として立てた国が日本なので、日本が西欧文明に反対的な立場に立って、そのような祝福を受けるようになるのです。
このアジアにおいて英国と同じ立場に立った国が日本なので、アジアを育て、アジアのための日本にならなければならないのです。しかし、そのような日本となることができず、自分の国のために生きるアジアをつくろうというサタン的な立場になってしまったのです。
それゆえ日本は英国と違わないというのです。英国文明をアメリカが受け継いだのと同時に、アジアでは英国文明を日本がそのとおりに受け継いだのです。
日本は神様の名前を閉め出して、自分の国の民族主義的な女神天照大神に仕えるのです。中心が女性だというのです。では、それは神側ですか。どちらの側ですか。サタン側だというのです。サタン側なので、神様が今後アジアを中心として一つにしようとすることを知り、それをあらかじめ自分の手中に収めようとしたのです。それには韓国が一番重要です。アジアにおいて一番重要な国家は韓国です、韓国。そのことを知らなければなりません。
太平洋文明圏を載せて日本を経て大陸に上陸する際には、どこに行くのでしょうか。半島を経なければなりません。これが文明発達の原理です。反対に行くのです。ここで英国と同じものが日本であり、イタリア半島と同じものが韓国だというのです。
それゆえ、このアメリカは必ず日本を経て、韓国を通して、中国大陸を経て、中東を経て、あのアフリカまですべて一周しなければなりません。一周して一つにしなければならないのです。そうして、西欧文明とアジア文明が一つになり、中東も一つ、アフリカも一つにして、一周して終わりにしなければならないと見るのです。(八〇―一四)
2 日本を経済大国として祝福された神様のみ旨
アメリカを中心として天の摂理を広めようとされた神様のみ旨は、アメリカからどこに移動していくのかといえば、日本列島に移していきます。統一原理を見れば、「歴史の同時性」という内容があります。人類歴史は生きていらっしゃる神様の一貫した公式的な摂理によってつづられてきましたが、そのような天倫の摂理が同時性を帯びるようになるのです。いわば、歴史は反復の形態によって、すなわち、(大陸に対して島嶼という)反対の形態で展開されるというのです。したがって、アメリカ大陸を中心としていた神様の摂理が英国と同じ島嶼国家を経るようになるのですが、それがまさに日本という島国でした。ですから、神様は島嶼国家である日本に祝福を与えざるを得なくなり、日本は近世になって世界的な経済大国を築きました。ところが、神様は英国の祝福を蕩減するために日本に祝福を与えたので、日本は英国が失敗したことを蕩減しなければなりません。したがって、神様が日本を明治維新以後、経済大国として発展させたのは、英国の立場を蕩減して世界を救いなさい、というみ旨からでした。ところが、日本が露ほどでもそのような考えをもっていましたか。むしろ彼らは神社参拝問題を中心としてキリスト教を極度に弾圧し、戦後は共産主義の活動舞台にしたではないですか。
もし、日本が共産主義の手中に収まろうものなら、極東の平和維持が不可能になるのはもちろん、アメリカまで危険になります。ところが、日本を赤化しようとするのが極東においてのソ連はもちろん、北韓の金日成の秘密戦略です。私は既にはるか以前からこのようなことを看破したので、日本での勝共運動を強力に展開させたのです。私の見解では、日本の首脳部から一般国民に至るまで、全国民が勝共思想によって武装しなくては、日本は滅びるしかなくなるのです。では、その勝共運動を誰がしなければならないのでしょうか。日本のキリスト教がしなければなりません。しかし、今日の日本のキリスト教がそのような使命を果たしていますか。むしろ、共産主義に追われています。そのような日本の実情の中で、私は命を懸けて、日本国内にとてつもない背景をもっている共産主義と闘ったのです。そのようにして、我々は今、日本での勝利的な基盤を完全に構築してしまいました。(一九八〇・一一・一八)
3 韓半島へと移された神様の摂理
日本が世界を救おうという使命を果たしたでしょうか。果たせなかったのです。ここで神様の摂理は他の所へと移るようになって、半島文明圏を中心として成し遂げられるようになります。そうして、イタリア半島文明と同じ韓半島文明時代へと移り、イエス様が体を失わなかったなら築いたであろう世界的なアジア文化圏時代に移ってくるようになります。ですから、韓国にメシヤの再臨という言葉が可能になるのです。
韓国はどのような国なのかといえば、ローマに似通った国です。同じ半島型国家であり、気候や環境が似通っています。のみならず、韓国はローマ教皇庁を代身した国家型です。ローマは霊的な教皇庁だけを形成しましたが、我が韓国は霊肉共の教皇庁を形成しなければなりません。
歴史上近代のヨーロッパ文明の基礎となったローマとそっくりな条件で大陸を中心とした新しい文化圏の出発が起こるようになるので、サタン主権を代表した共産圏がインドから中国まですべて巻き取ってしまいましたが、韓半島に来ては南北に分かれるようになったのです。皆さん、金日成が何歳で主席になったと思いますか。三十四歳の時でした。この年齢、まさにこの金日成と同じ三十四歳でイエス様がユダヤの国の王にならなければならなかったのです。そしてなぜ北韓では金日成を「父」と呼ぶと思いますか。世の中では「統一教会で文なにがしを中心として真のご父母様に侍って、どうして、こうして」と言いながら反対ばかりしていますが、もともとこれは偶然なことではありません。金日成が反対に先んじて偽りの父母を自称しているのです。このような話をするからといって誤解されても構いません。皆さんが誤解したからといって、神様のみ旨が成されないわけではないのです。(一九八〇・一一・一八)
4 神様が韓民族に賦与した世界史的な使命
我々の国は神様から祝福された国です。けれども、歴史の恨を最後に清算しなければならない切実な神様のみ旨があるので、我が民族は神様が賦与してくださった使命を必ずや完遂しなければならないのです。
韓半島で歴史時代のすべてのしこりを解決しなければならないので、神様の復帰摂理のための歴史が代表的に展開されています。まさにちょうど、アダム家庭で一つの兄弟であるカインとアベルが闘ったように、一つの血統である南北韓がお互いに銃口を定めて対立しているのです。それゆえ、韓国の休戦ラインは、何の意味もなく共産の北と民主の南が対峙している休戦ラインではなく、神様の摂理を帰結することのできる意義深い事由が込められている休戦ラインです。
北側はカイン圏を代表したカイン型であり、南側はアベル圏を代表したアベル型です。
したがって、アベル型である統一教会と既成教会の皆さんが一つになるなら、そうして南韓が、カイン型である北韓を武力で支配するのでなく、理想的な愛と思想によって自然屈服させ、支配することのできる主体的な力と基盤を築くという局面が繰り広げられるならば、三十八度線を撤廃しても関係ありません。すべての問題が一時に解決されるようになっています。
休戦ラインについて見るとき、韓半島の北側は赤い龍が、南側は白い龍が食いついている状況です。板門店が何か分かりますか。天の国の金門、十二の真珠門を象徴した所が板門店です。ですから、休戦ラインはサタンの第一線であり、神様の第一線です。
ここは神様もサタンも讒訴できる所です。神様とサタンが同時に讒訴できる所は世界でここ韓国しかありません。
それなら皆さん、なぜ休戦ラインがこのようになっていると思いますか。韓半島が天の悲運の歴史を最後に集結しなければならない所だからです。ですから、サタンもここ韓半島では、ありったけの力を込めて最後の発悪をせざるを得ないのです。
ですからもし、南韓が北韓の金日成を完全に消化させてあまりある思想的な主体勢力を備えるようになる日には、韓国は共産世界の危険から全世界を救うことのできる資格を備えるようになるのです。このような資格を備えることが、神様がこの民族に賦与した世界史的な使命です。それゆえ、我々キリスト教徒が一つに統一して、神様がこの民族に任せた世界史的な使命を果たさなければならないということを、私がはっきりと皆さんに申し上げるのです。
韓国教会と皆さんが、天運を受け継ぐための準備態勢を整えなければ、神様が韓国教会を離れるかもしれません。日本やアメリカも神様の国の中の一つの国家だからです。もう国家主義時代は過ぎ去りました。韓国がその責任を果たすことができなければ、み旨は他の国家を探して行かざるを得ないということを知らなければなりません。歴史はある一地点にとどまるものではなく、流れていくことを知らなければなりません。(一九八六・一〇・二一)
5 アダム文化圏の新起源を築かなければならない韓国
韓国は、イスラエルと第二イスラエルであるキリスト教徒が果たせなかった摂理的な使命を受け継いだ第三イスラエルです。韓国ではどのようなことがあったとしても神様の摂理が完結しなければならないのです。世界のすべての文明が韓半島で結実しなければなりません。我々は神様を中心とした一つの世界を築く際に、最も基本となってあげなければなりません。アダム文化圏の新起源が築かれなければなりません。
神様を中心とした一つの世界はどのように築かれ得ると思いますか。一つの世界の具現は、アダム文化圏が再現された神様のみ旨が完成されることをいうのですが、韓半島でアベルとカインが一つになる基準を手本として、各民族を超越し各人種を超越して、神様の完璧な愛の世界を回復するとき、初めて一つの世界は築かれるのです。それゆえ、神様の本来のみ旨の世界が形成されます。皆さんと私が一つになるためにお互いに努力し、怨讐を愛し、神様を愛する努力を惜しまず、家庭と教会であらん限りの精誠を尽くして、自分個人と家庭よりも民族と国家のために生きるなら、共産主義は自動的に滅びるようになります。私はヨイドでの「救国世界大会」で、六十カ国の統一教会の青年信徒たちに、韓国のために祈祷しなさいと命令した時がありますが、我々すべてがこの国の将来のために生き、神様のみ旨のために懸命に祈祷したなら、この民族は間違いなくみ旨を中心としたアダム文化圏をこの地上に具現できるようになるのです。
このような中で神様は、この民族をして受難と悲運の中でご自身の心情を体恤できるようにさせたのであり、統一教会を通して、この民族がそのような悲運を克服して、神様のみ旨の成就のために働くことができるようにしたのです。(一九八〇・一一・一八)