P.30

四 万物をつくった目的

本来、神様は天地万物を何かの遊びでつくったのではありません。趣味でつくったのではありません。何の目的も方向もなしに、何ら理念的内容もなしにつくったわけではないのです。これは皆さんが常識的に考えてもよく分かるでしょう。偉大な目的と大宇宙の理念をもって創造したのです。それでごく小さな生き物から広大な宇宙に至るまで、あらゆる存在物には、神様の心情を通した理念が宿っていることを私たちは否定することができません。

それでは、このような理念をもって創造した目的は何でしょうか? 神様の愛を中心とする理念の世界、すなわち愛を中心に通じ合い、愛を中心に楽しみ、愛を中心に生き、愛を中心に死ぬ世界を目的としたに違いないのです。

私たちが眠りから覚めて目を開くと、眼前に広がる森羅万象が見えてきます。私たちは目に映るその万象を通して何か計り知れない間接的な印象を受け、そこに反応する感覚で生活での感覚を高めていくのです。私たちの回りにいるごく小さな生き物も、例外なく私たちと因縁があり、関係があるのです。私たちが無視しても、その生き物たちはその日その日、天倫の理念に従って存在の価値を表し、人間と因縁を結んでいるのです。

なぜですか? ごく小さな存在物から、万物を主管できる万物の霊長といわれる人間に至るまで、その存在目的を中心に見るならば、すべて神様の大宇宙の理念に通じる愛の理念圏内に入っています。それで小さなものは大宇宙の目的を達成するにおいて大きな分野を担っているものに吸収されて動くのです。小さなものは大きなものに吸収され、その材料になり、一つの要素になり、大理念を中心として一つの目的に向かうようになります。歴史はこのように進展していくものであり、存在世界は天倫という原則の軌道に従って一つの目的のために動いていくという事実を否定できません。(九\一六四)

神様はなぜ万物をつくったのですか? 自分が愛する対象、対象者を得るためです。自分が愛する対象圏をつくるためです。その対象が地上生活を終え、自分の本然の世界に帰り、永遠の神様の愛の国に入って暮らすようにするためです。それを知らなければなりません。(一四二\七六)