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五.お父様のご心配に責任をもつ者となるようにしてください

 お父様! 我々がカイン国家を屈服させ、アベル国家の使命を尽くさなければ天国に行くことができませんので、このような運命の道を行く我々を、お父様、お守りください。

 国のない民ほど哀れなものはありません。父母がいない人以上に哀れな人はいません。しかし、このような因縁を越えてきた統一の群れにおいて、もう孤児の時代は過ぎ去りました。父母をもつ時代を迎えたのです。しかしこの時代もまた過ぎゆき、今や氏族の因縁、民族の因縁、国家の因縁をもって明日の新たな国家を形成するために心を砕き、愛国、愛族することのできる時代になりました。

 民族的な精気が堕落した世界を通り抜けて、あなたの心の中に埋まっていた愛国、愛族の心情をもって現れなければならない時が、私どもの近くにまでやって来ました。しかしお父様のみ意を受け継いで愛国、愛族する息子が、果たして何人くらいいるのか尋ねてみる時、私がお父様のみ前に涙を流し、悔い改めなければならないと感ずるのを、お父様、お許しください。

 今まで多くの血のにじんだ途上において、民族の恨を解くのだと先頭に立って進みきたその歩みに付き従ってきた群れを眺めるとき、お父様のご心配の対象となる者は多くいますが、お父様のご心配に対して責任をもてる者が多くはないということを知るのです。このような息子をご覧になる時、私が行かなければならないこの先の路程に、十字架の道がまだ残っていることを感じるのです。

 私が安住し営為しなければならない十字架の道が残っているゆえに、今後の路程において力強い歩みをもって、民族の代わりに戦いの道を開拓しなければならず、また彼らが行かなければならない運命の道を開拓しなければなりません。

 民族が南と北に分断されていて、民族分裂とともに悲しい心情の縁をもたざるを得ないがゆえに、この恨を解いて南と北を糾合する責任が、み旨を知った我々にあるということをお教えください。三十八度線以北はカインで、三十八度線以南はアベルの立場であるので、南韓の国民がまずあなたに忠孝の道理を供えなければならないのではないでしょうか。

 まず信仰の基台を立てなければならないのが、この国、この民族の使命ですから、この民族を愛するよりもまず天を愛さなければなりません。清算しなければならない世界的な因縁があるがゆえに、大韓民国を愛するより神様を愛する民族にならなければなりません。これがこの国この民族の生死を決定する要因になるということを、誰も知らずにおります。

 そうするために民族を代表した哀れな統一教会が、神様を愛するために先頭に立たなければならないのです。怨讐の命令に無理やりに屈服して付き従う以北の彼らよりも百倍、千倍も自然な環境で、誰がするなと止めても、自ら進んで行わずにはいられないという心構えをもって引き受けた責任を果たし、彼らを上回らなければなりません。そうして彼ら以上に国を愛し、民族を愛する忠臣、烈女の道理を立てずしては、この国が天の側に復帰されないという厳然とした事実を、我々はよくよく知らなければなりません。(三一―一八〇)

 哀れなこの韓国の地を起源として新たな運動が起こっていますが、これはどこの誰かが望んだからといってできるものではないことを知っています。最初から天がここに介在し、天のみ旨を選び出していくためにこのようなことを始めましたので、彼らの上にあなたの祝福を与えてください。

 お父様! 韓国をお父様が愛していらっしゃることを知っています。哀れなこの民族を探し求めてこられたのは、あなたがかわいそうなお方であるからだということを知っています。あなたの行く道を選別して責任を担ってほしいと、他のどのような民族にもない摂理の路程を、受難の道から探してこられたあなたであったがゆえに、哀れな者こそが哀れな者の事情を理解できるということをご存じで、この哀れな民族を探してこられたということを知っております。

 この民族の将来をお父様がお守りください。この国の主は他の誰でもないということを知っております。天が主となってください。この国の行くべき道を指導できる者には誰もなれないということをよく存じております。天のみが責任を担えるようになる時、この国の行く道が開けるということを知っております。人の縁と人の志に従うこの国とならず、天のみ旨に従い、天が願われる国に向かって前進することのできるこの国とならなければならないのです。

 南北が分かれて今に至るまで数十年間という、うんざりとするような歴史過程を、お互いに食い違った体制のもとで争ってきたということを知っています。今や彼らが手を取りお互いに一つになれる道を願うその標準は、この民族が願う標準でもあるということを知っています。歴史が願い続けた標準であることを知っています。我々の先祖が誰一人として成すことのできなかったことを、我々の時代に終結させなければならない使命が、我々にあるということも知っています。これを我々の時代において解決することができないとしたなら、千秋万代、子孫の前に怨恨の条件を残すということも知っています。

 お父様! 哀れなこの民族を覚えてください。この国の行く道をお父様がお守りください。誰もこの国全体の運命を知ることができません。あなただけがこの行くべき道に心を砕いていらっしゃることを知っています。(六一―二四五)

 愛するお父様! 韓国の悲惨な歴史、韓国民族の悲惨な歴史、現在混乱の中にいるこの韓国のあらゆる困難は、世界のあらゆる混乱を代表したものです。ここに南北が引き裂かれ東西が分立された、あらゆる歴史的事実を糾合して連結させ、統一教会の統一的な祭壇を通して祭物的な過程を拠点となし、今から新しい運勢の時代に向かって前進しなければならないということを知りました。ゆえにここで両手を挙げてお父様のみ前に誓いを立てるこの者たちを、国家の代表であると同時に世界万民の代表として、お父様がお受けください。(一六八―六七)